「あしたのロボット」 瀬名秀明 

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文芸春秋 ★


ashitano.jpg鉄腕アトム伝説を一本の縦糸にした近未来小説です。近未来というより、ほとんど現代小説ですね。

鉄腕アトムと共に育った世代がアジモやアイボを経て、やがては「心」さえ感じ取れる完全自律型の「ロボット族」が誕生。人間が消滅してからも彼らの間には郷愁のアトム伝説なるものが言い伝えられていた・・・。

瀬名秀明という人、最初のうちは舞台の設定もいいしリアルな部分もあるし、詩情もあるしで、つい引き込まれてしまうのですが、どうも中盤以降がいけない。身も蓋もない言い方をすると「で、何が言いたいの?」ということになる。

今回もロボット研究者たちの悩み、東南アジアの地雷除去ロボットの挿話なんかのころは違和感もそうなかったのに、テヅカ記念館あたりからおかしくなる。なんか、ストーリーが接ぎ木されているようで、繋がらない。私にとっては、評価できない一冊でした。でも、新刊みたら、また手にとるんだろうな。、