「サル学の現在(上)」 立花隆 

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文藝春秋 ★★★★

saru.jpg 多分妻が読みかけだったらしく、机の上に置いてあったのでサラッと通読。

サル学はニホンザルを持っていた日本が世界をリードした珍しい分野で、多くの日本の人がボスザルと離れザルの関係とか、芋洗い文化の伝播など、けっこう知識を持っている。これって、かなり特殊なことらしい。多くの西欧人の場合は、サルに文化なんてあってたまるか、というこだわりから簡単に抜けられないとのこと。

改めて確認したこと。
・ボスザルが群を支配・統率しているというのは神話にすぎない
・メスはけっこう自由で強い。特にハバザルは力を持つ
・群の構造や関係は、ニホンザル、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、マントヒヒ・・・すべて異なる。「サル一般」というような文化構造はない。

そういえば、ついこないだ、人間とチンパンジーはDNAから見ると非常に近縁であるという新聞記事を読んだ。人間をチンパンジーの亜種に入れるか、あるいはチンパンジーを人間の仲間に入れるか、どっちに分類し直したほうがいいかも・・という研究発表だった。

キリスト教社会からはものすごい反発がくるだろうなー。