「シールド・リング 」 ローズマリ・サトクリフ 

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原書房 ★★


shieldriring.jpgサトクリフの中世ブリテンシリーズ。今回はノルマンコンクェストのすぐ後、ノルマン勢力が次第に北上し、ついに湖水地方まで迫ったころのお話。このへん谷やら湖のほとりにはヴァイキングの末裔たちが住んでいたらしい。で、ノルマンの圧力に耐えるため、彼らが最後の頼りとしたのが「シールドリング」、つまり盾の輪と呼ばれる山中の砦ということ。ノルマンの捕虜となっても、この砦の所在を敵に明かす者は一人もいなかった。

もちろん、我々はこうした地元勢力の抵抗が最後には押しつぶされたことを知っている。それを知っていながら、この砦で成長する少年少女になにがしかの感情移入をする・・というのが魅力かな。

サトクリフのシリーズに共通することですが、当時の人々の貧しさが胸を打ちます。人間って、ほんの少し前まで実に貧しかった。いや、現代においても同様な暮らしを強いられている人々は多数いるのですが。

ジュブナイルとはいえ、大人が読んでもけっこう心に残る本です。