「人斬り半次郎(全)」池波 正太郎

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新潮社 ★★

 

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このところ、読める本にでくわさない。数週前に借り出した海外SF数冊も途中挫折。

妻にすすめられて「おしゃべりワイン」(大村未菜 ベストセラーズ刊)を読む。ワイン雑学本だけど達者な文章で楽しく読めた。

で、この3連休に借り出したのが池波さんの「人斬り半次郎」。どういうものかなと半信半疑だったのですが、まぁ及第点。池波臭がちょっと強いものの、なんとか読めます。私の固定観念における桐野は「豪放」「恬淡」「単純」という程度ですが、ま、そういう扱いですね。特に青年時代の桐野(まだ中村か)はずいぶん可愛い男として描かれています。

ふと思いついて調べてみたら、桐野も体は巨躯だったらしい。実は村松剛の「醒めた炎」で「幕末の剣客、剣豪はみんな体が大きかった」という一節、目からウロコが落ちた記憶があります。やはり強くなるためには体力と腕力が必要。柔道と同じです。なんとなく小柄イメージの桂小五郎も実は大柄だったし(なんせ力・斉藤と言われた斉藤弥九郎 練兵館の塾頭)、坂本龍馬もそうです。だから池波さんが「西郷がもし小柄だったり貧相だったらあの活躍はなかっただろう」と何回も力説するのも納得できます。容貌、体力、身長・・人生のかなりの部分を支配しますね。池波さんは小柄だったんだろうか。