「エンダーズ・シャドウ」 オースン・スコット・カード

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ハヤカワ文庫 ★★

 

e_shadow.jpgエンダーのゲームの続編というか、姉妹編というか、同じ出来事を違う視点で描いたという苦し紛れ的な一冊。主人公はエンダーの副官役(そんな奴、いたっけか?)のビーン。「ちびマメ」ですわな。

発育不良でひ弱で、しかし悪魔的に賢い幼児がストリートチルドレンの中で生き抜き、やがて徴兵され、 頭角をあらわし、エンダーに出会い、補佐役となり、教官たちの策謀を見抜き・・・。カードの大好きな「可愛げのない天才少年」ですね。ただ同じ時系列を違うヒーローが追う形式のため、どうしても独立峰エンダーの魅力は薄れてしまっています。エンダーがどう苦しみ、どう乗り越えていったかという一作目の新鮮な感動がないばかりか、むしろエンダーが単なる操り人形にも見えてくる。楽屋ネタがすべてあかされてしまうとでもいいますか・・。

ビーンという少年像はよく作られたような気がします。でも結局のところ二番煎じ。カードがすすめるようにこの作品を読んでから一作目を読んだりしたらかなり悲惨でしょう(絶対にやってはいけません)。そういう微妙な部分に欠けているのがカードという人です、たぶん。

「エンダーのゲーム」に感動した読者なら、ま、読んでもいいとは思います。でも、読まないほうが良かった!と思う読者も少なからずいるんじゃないかな。