「武揚伝」 佐々木譲

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buyouden.jpg中央公論新社 ★★

佐々木譲という人の本はこれが初読。

毀誉褒貶のある榎本武揚について、ちょっと知っておきたかったためで、小説としての面白さを求めたわけではなし。内容に特に文句はありません。

なるほど。幕府海軍の虎の子・開陽丸、結局のところ活躍の場もなく沈んでしまったんですか。まるで戦艦大和か武蔵みたいです。で、温存していた開陽丸の沈没が函館軍の決定的な没落につながる。政府軍の艦砲射撃がけっこう有効だったように書かれていました。

武揚の艦隊、最初から最後まであっちへウロウロ、こっちへフラフラ。挙げ句の果てに遭難、座礁などなど。乗組員の練達度が低かったんでしょうね。いろいろ勉強になった上下本でした。 

 

「21世紀への伝言」 半藤 一利 ★★
 文芸春秋  2006/1/29
「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」 ★★★
 塩野七生  新潮文庫  2006/1/29
「夢千代日記」 早坂暁 ★★★
 大和書房?  2006/1/29
「生きて候」 安部竜太郎 ★★
 集英社  2006/1/29

 

溜まってしまったのでまとめて記述。

「チェーザレ・ボルジア」は今回が初読。つられて「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」も再読した。

「夢千代日記」は案外よかった。山陰の思い切って暗い々々温泉町のお話。ドラマは見逃したが、シナリオだけでも十分楽しめた。

「21世紀への伝言」は、悪くはなかったものの、半藤作品としては中の下。独特の魅力がなく、3分の2ほどで返却期限が来てしまった。

安部竜太郎はどうでもいいです。