「マイン」ロバート・R・マキャモン

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★★★ 文藝春秋
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60年代、かな。米国の反体制運動が燃え盛ったのは。当時のいわば連合赤軍的な過激グループの生き残りが地方都市に身をひそめて暮らしている。いかにもありそうなストーリーですが、もしその生き残りが、いまだに狂信的であり続けているとしたら。おまけに単に狂信的であるだけであく、ほんとうに狂っているとしたら

主役は身長6フィート、バーサーカーのような女戦士です。邪魔者に銃を発射することに躊躇はまったくない。さらに困ったことに、過去の銃撃戦で流産してしまった子供への激しい執着がある。本物の代わりに嬰児人形の世話をして暮らしている。泣き止まない赤ん坊(人形)には残酷なオシオキをする。

この「母性」の部分がドロドロしておぞましいです。で、いろいろあったあげく、狂戦士は病院から新生児を盗みだす。盗まれた母親もまた狂ったようにその後を追う。ひたすら血が流れ、人が死に、壊れかかったクルマが州間高速80号線を西へと暴走し、カーチェイスと大雪の中のロッキー越え。そしてついに西海岸、かつての「輝けるリーダー」の元へたどりつく。

なんというか、よくまあという読後感です。けっして傑作ではないですが、最後まで読ませる力はある。ふんとにまあ。ちみみに「マイン」の意味は「この子はワタシのものよ」という感じでしょうか。あるいは「自分らしく生きることのできたあの時代だけはワタシのもの」かな。