2013年3月アーカイブ

歳をとると時間のたつのが速くなります。50過ぎると急な下り坂で、60過ぎるともう階段を転げ落ちるようなスピード。

あれ、あれ、あれ・・・と言ってるうちにもう日が暮れる。1週間がたち、1カ月が過ぎる。なんでですかね。

ジャネの法則というのがあるそうです。ごく荒っぽくいうと、時間の心理的な経過は、年齢に反比例する。50歳にとっての1年の長さは、5歳の1年の10分の1。5歳にとっての1年は人生の5分の1なのに、50歳にとっての1年は人生の50分の1。重みが違う。ま、そんな理屈かな。たぶん。

この理屈で10歳と50歳を比較。10歳の頃の長い長い夏休み(40日間)を実感したければ、50歳のオヤヂは200日、つまり7カ月近くの休暇をとらないといけない。

うーん、合ってるような気もするが、なんとなく納得できない。

で、先日読んだ福岡伸一さんの「動的平衡」では、この理由を「代謝の違い」と解釈していました。要するに歳をくうと反応がすべて遅くなる。感受性が鈍くなる。

たとえば完全に外界と遮断された暗室に閉じこもって寝ていると、外部の時間の流れを探知することができません。頼るものは自分の体内時計だけ。そんな部屋を用意して「24時間たったと思ったら部屋から出てきてください」と指示しておくと、おもむろに部屋から出てくるのは30時間とか40時間とか経過してから。とろカメになっている。おかしいなあ、そんなに長くいたのか

逆にいうと、物理的な時計の24時間は、本人の体内時計ではまだ18時間とか16時間でしかない。時間の経過が思ったよりも速い。

ネズミの一生、ゾウの一生、時計で計測した生涯の長さは違いますが、それぞれの主観的な長さはどうだろう。インタビューしてみたら案外同じなのかもしれない。これは本川達雄さんの説か。ゾウもネズミもドッキンドッキンは何億回とか、なんか唄を作ってましたね。

それぞれ面白い理屈です。騙されたような正しいような。なるほど・・とは思うんですが、でもそれをすぐ忘れてしまうのも「歳」。特にこういう綱渡りみたいな論理の筋道は、ほんとに素早くニューロン結合から消え去ってしまいます。

ochiai_if.jpg★ 小学館

てっきり歴史の「IF」ものと思って借りましたが、ちょっと違いました。身もフタもない言い方をすると、著者のお気に入りの人物を登場させて、その人物についてウンチク紹介、その上で著者の言いたいことを展開する。ま、そんなスタイルです。

お気に入りの人物とはロックフェラー、ハワード・ヒューズ、ケネディ、レーガン、ハンニバル、織田信長、シーザー、ソクラテス、コルチャック、ニーチェの10人。

ヤヌシュ・コルチャックという人、知りませんでしたが、孤児たちを見捨てることを拒否して、いっしょにナチスのガス室で殺された。現在の「子供の権利条約」はこのコルチャックたちの運動によって芽が作られたような具合らしいです。

それはともかく。「落合信彦の言い分、持論」はよくわかりましたが、同じ論調の繰り返しも多く、少しヘキエキしました。楽しめる本ではなかったです。といって、深く考えさせられる本というわけでもなかったし。

なんだか使っているFirefox15の動作が遅くなった気がします。起動も時々のろくさする。インストールし直すかな。ついでだからバージョンも上げるか。たしか今はバージョン19か20くらいまで行ってるんじゃないかな。

で、ふとFirefox16に問題があることを思い出した。バージョン16にするとMobableTypeでカテゴリー操作がトラブルんでした。16をスキップしてバージョン17とか18にすればいいのかな。

で、調べてみました。

うーん、17でも18でも問題は解決してないみたいです。要するに新しいFirefoxとMobableTypeの相性の問題らしい。モジラは「なんか悪い?」とてんで修正する意図はないようだし。

その代わりMobableTypeのほうに修正パッチが上がっていました。こっちが弱気みたいです。しかし肝心のパッチはバージョン別に数種類しかなくて、MovableType4用は「4.38」しかない。たった2本のファイルを差し替えるだけなんですが、たとえば違うバージョンの「4.25」にも適用できるかどうかというと、保証なし。公式サイトのQ&Aでは「該当バージョンにアップデートしてからパッチを当てろ」というまっとうな記述で、そりゃそうだけど。

そりゃそうだけど、MobableTypeのバージョンアップってのが、実はけっこう怖い。そうそう簡単に、上書きすればOKとは限らないんです。困るなあ。たかがFirefoxのバージョンアップごときでMobableTypeをゴチャゴチャやるのは気がすすみません。

ということで、またいろいろ検索。

ありました。「Movable Type 4.38 をversion 4.25 のフォルダにそのまま入れてみました」というコメント。また「itemidというプロパティを軒並み item_idに置き換えているだけっぽく」という記述。なるほど。FirefoxとMobableTypeが同じ名前の変数(というのかな)を使うようになったんで、中で衝突していたというパターン。

差し替えパッチをダウンロードして新旧バージョンのスクリプトの中身をツールでザッと眺めてみました。完全にチェックしたわけじゃない(できない)ですが、ほとんど(たぶん)同じでitem_idの部分だけが書き換わっているような感じです。

これで決心。トライしてみることにします。もちろん古いファイルはバックアップとっておいて、新ファイルをアップロード予定。差し替えるのはJavaスプリクト2本なんで、仮に問題起きても大事故にはならないでしょう、たぶん。きっと。おそらく。

非常にアバウトなやり方なんで、よいこは真似しないでください。保証しません。(うまくいかなかったらご報告しますね)

kuchinui.jpg★★★ 集英社

新しい本です。大震災とか原発事故の記述もありますが、もちろん単なる仕掛けの材料のひとつ。坂東眞砂子のテーマはいつだって「田舎」と「因習」と「伝奇」ですわな。

定年退職した夫婦が東京から高知の山奥の更に山奥へ移転してきます。亭主は焼物をしたり、奥さんはブログを書いたりハーブを育てたり。ありそうなスタイル。

で、亭主のつくった焼き窯をキッカケにして、いろいろ始まります。大昔からの公道というか、村の道。それが現在の土地区画とはまったく一致していないのが問題なんですが、とにかく人の敷地だろうがなんだろうがまっすぐ通っている。昔の区画図で赤く塗った線なんで通称が「赤線」。おまけにここの赤線は怪しげな神社へと通じる赤線。

で、都会もんは何も知らないので、その赤線の上に窯を作ってしまった。大変じゃあ・・・。

ということで、どろどろと開始。ミステリーみたいなものなので、詳しくは書けません。

★★ 共同通信

gendaishi2013.jpgなにしろページ数が多いです。なので今回は分厚い上下の下巻のみ。第二次対戦の終わり頃から1990年付近までを扱っています。

ポール・ジョンソンってのは、やけに大声でしゃべりまくる剣呑なオヤヂみたいな人ですね。ただし理路整然、ガンコ一徹、すべからく明確かつ断定的。好悪はともかく一応話の筋は通ってるんで、好きになるか嫌いになるかは人それぞれ。

いわゆるタカ派ということになるんでしょうか。全体主義は大嫌いです。社会主義、共産主義も天敵。だからといって資本主義体制を全面的に是認しているわけでもない。スターリン、毛沢東、ルーズベルト、ガンジー、ネルー、みーんな好かん。第三世界の指導者はのきなみクソミソ扱いです。

そもそも「政治家」が嫌いなようです。とくに「プロ」の政治家が世界を悪くしていると信じている。好きなのは断固として行動するリアリスト。わりあい好意的に描かれているのはトルーマン、チャーチル、レーガン、サッチャーなどなど。

要するに「どうせ政治家なんだからロクなことはしない」「でもやる時は断固としてやれ」「始めたことは徹底しろ」「そのほうが被害も最小限になる」というような視点かな。中途半端な温情が破滅的な結果をもたらす。

なかなか面白かったったです。歴史書というより長い長い講演会みたいな感じ。訳が別宮貞徳さんということもあるんでしょうけど、読みやすい。ま、それでも飛ばし読みでしたが。こんな長い本、一字一句精読するなんて不可能です、ほんと。

日曜は雨模様だとテレビの天気姉さんたちが口を揃えて強調するので、前日の土曜、小金井公園へ花見に出かけました。

出かける時刻が遅かったせいもありますが、かなり寒かったです。花は六分咲き程度。土曜なんで人出も例年の3割程度。曇天で風が強く、ダウンを着ていても体が冷える。長くはいられませんでした。予報士連中「土曜は絶好のお花見日より」とか嬉しそうに言ってなかったっけ。甘い団子を食べたせいもあるけど、途中で買ったロング缶ビールがたいして美味しくなく、もてあましてしまった。

で、チビチビとビールを飲みながら周囲を見ていると、公園内の道を幼児連中が小さな自転車に乗って滑走していました。補助輪付きではなく、もっと小さくて、要するにペダルがない二輪車です。太めのタイヤとサドルとハンドルがあるだけ。したがって交互に足で地面を蹴って滑走するしかない。

jitensha2013.jpg乗ってる子供、けっこう多かったですね。しっかり足がついてるんで、転倒の危険はまずない。慣れた子供は両足をあげてスーッと滑走したりもする。面白いものが流行ってきたんだ。後で調べてみるとバランスバイクとかストライダーというらしいです。

こんなやつです
たまたま囲碁関係のサイトをのぞいてみたら、なんか最近の対局ソフトは強くなってるらしいです。ふーん。

そういえばプロ棋士がソフトと対戦して、もちろん置き碁ですけど負けたというニュースもあった。将棋ソフトが強いのはともかく、碁は空間が広すぎて話にならないというのがずーっと常識だったんですけどね。

モンテカルロ法を採用してから急に強くなったんだそうです。モンテカルロってのは、確か乱数かなんか使って統計的に(たぶん)計算するような理論だったような。統計的というのも的を外しているかな。

ま、とにかく対局ソフトが一気に強くなった。ものによっては4段とか5段とか公称しているらしい。本当ならすごいです。

とかなんとか。急に興味をそそられて、あちこち見て回りました。ついでにフォルダの片隅に眠っていた古い対局ソフトを引っ張り出して一局打ってみる。はい。あっさり負けました。10年以上前のソフトですが、何も考えずに打つと足元をすくわれます。そもそもがヘボだし、先を読むというか、辛抱して考えるのがどんどん苦手になってるんで、簡単には勝てません。

そんな程度の実力なら、わざわざ強いソフトを買う必要もないんですが、でもなんか欲しくなりました。今は「天頂の囲碁4」というのが一番人気みたいですね。ただし買おうすると9000円はします。9000円はもったいないなあ。

更に探し続けると、ちょっと古いフソフトを廉価版にしたものもあることを発見。なるほど。いろいろ検討の末「最強の囲碁 新・高速思考版」というものを買いました。「最強の囲碁2011」の焼き直しのようです。買ったといってもアマゾンにお金を払ってのダウンロードで1800円強。便利なもんです。

igo2013.jpgさっそく「普通レベル」でいいかげんに打ってみたら、あっさり大石を殺されました。やっぱり強いみたいです。時間のあるときに、少し真面目にやってみるか。

いいんだか悪いんだか知りませんが、盤面が立体的になっていて、ちょっと違和感です。ただし真上から見下ろした盤面にする方法は発見できず

ま、いいけど。

追記
そんなことはなかった。当然ですわな。矢印キーで仰角変更も回転も可能でした。最新ソフトをあなどっちゃいけない。
たまたまテレビをつけていたら、「にっぽんの芸能」とかいう番組をやっていました。NHKですね。古典芸能番組であることは間違いないですが、なぜかコンセプト不明で和服の檀れいが出てきて、色っぽくコントまがい見せている番組です。もちろんいかにもNHKふうの、聞いていて恥ずかしいようなコント。

で、ぼーっと眺めていたら後半から歌舞伎の京鹿子娘道成寺を見せていました。ひたすら一人踊りの連続ですね。なんとなく知っている道成寺の話(安珍・清姫)とは違っているようで、気になったのでネットを少し探索。そしたらかなり詳しそうな人のブログで「出てくる坊主ども(所化)の傘のさし方がバラバラで・・」とか。

バラバラというのは傘の持ち方。なんでも洋傘は柄のなかほどを持つ、和傘は下端を持つのがふつうなんだとか。ふーん。

で、ふと大昔を思い起こしました。子供の頃、傘といえばカラカサ(番傘)でした(洋傘は「コウモリ」でした)。竹と紙でできた傘なんで、すぐ破れる。で、新品を買ってくると父親が傘を開いて油紙に墨で名前を書く。書く部分は石鹸でこすって、油っ気を少し落としておきます。そうしないと墨が乗らない。

あのカラカサ、手元の部分はどうなっていたか。胴体部分とか、頭のあたり、骨の構造なんかはかなり記憶がはっきりしています。でもなぜか手元がわからない。記憶が茫洋としている。

つまり、単に柄の竹を切り落としただけの単純構造だったのか。切り落とした石突部分には何かはめこんであったのか。手元も何か巻いてあったのか、はて。

探すと、ちょっと高級そうな番傘写真を発見。そうか、やっぱ柄は単なる切り落としなんだ・・・。

★★★ 木楽舎

dotekiheiko.jpg超売れたらしい「生物と無生物のあいだ」を、少し平易にしたような本です。文体はあいかわらず論理的かつ詩的です。

一貫しているのは、生命は流れのなかの「よどみ」のようなもいのであるという「動的平衡」の視点。読んでいて楽しい本でしたね。

面白かったのは、コラーゲンを摂取してもコラーゲンは体内に取り入れられないというお話。もちろん皮膚に塗っても意味ないです。せいぜいで保湿作用くらい。当然なんですが、それをヤケにはっきり書いている。こんなこと書かれると困る会社が多いでしょうね。

栄養関連にしても「何かを食べよう」とするなということ。むしろ「食べないこと」のほうが体には有益かもしれない。プラスすることよりマイナスすることのほうが実際的である。

少し意外だったのは「遺伝子組み換え」の食品に対する危惧。ようするに「結果のわからない新しい技術を信用するな」ということでしょうか。これも十分に納得しました。


★★★ 講談社文庫

いやー、てっきり黄砂と思ってました。

図書館から「下巻がありましたよ」と連絡があって、受け取りにいった帰り、北の空がどんより黄色いことに気がつきました。くっきり色が違っていて、それがどんどん迫ってくる。あれれ、こりゃ黄砂だ。中国かモンゴルかは知らないけど、早く帰らないといけない。

家の近くへたどり着いた頃には風もビュービュー吹き荒れてくる。もう全天の半分くらいが変色している。あらら。PM2.5まみれになってしまったかな。

テレビつけたら「煙霧」だそうです。なんだ、それは。気象庁がまた新語を開発したのか。


tetsudodaiba.jpgで、鉄道大バザールです。下巻の旅はラングーンから始まってタイ、マレーシア、シンガポール。戦時下のベトナムを通って日本。そしてナホトカにわたってシベリア鉄道。

日本を好意的に書くわけはないなと予想してましたが、案の定でけっこうクソミソ。かなり誇張してるけど、ま、まんざら嘘でもないです。ロボットみたいに動き回る連中+訳のわからない好色文化。それでも京都に関してはわりあい気に入ったみたいですね。これは少し意外でした。

ズルして流用。本当の下巻は青基調です

上巻説明で「中年の作家」と書いたけど、実はまだかなり若かったようです。阿川弘之が「シニカルな青年」と書いている。調べてみたら1941年生まれだそうで、するとこの本の出た1975年にはまだ34歳ですか。

鉄道オタクの阿川先生、どうしても黙っていられなかったらしく、日本の旅の部分では注釈を入れてます。45秒停車ではなく1分停車だとか、トイレ使用中のランプ点灯の色が違うとか、この特急は野辺地には止まらないとか。実はセロー青年、そのへんをかなりいいかげんに書いてるもんで。

続編にあたる「ゴースト・トレインは東の星へ」でこの当時は奥さんとの関係が破綻しかかっていたとか書いてましたが、たしかにシベリア鉄道のあたりは雰囲気がみじめに暗いです。最後のほう、ロシア人に会うたび「けだもの!」と喚き続けてるあたり、ちょっとジンときます。もちろんニコニコしながら英語で罵ってるんで、ロシア人にはわかりません。正直にロシア語で罵ったら殴られますわな。

もちろん医者通いが2日でオシマイなんてことはないです。

通常、診てもらったが最後、なんだかんだと引きづられる。ま、仕方のないことです。

そもそも去年の暮れに「胃の薬を安く手に入れよう」とスケベ心を起こして出向いたのが身の破滅だった。すんなりパリエット(プロトンポンプ阻害薬)を処方してはもらったんですが「ついでに血圧測りましょう」というなりゆきで、血圧測定。間の悪いことにけっこう高い数値が出てしまった。

もうダメです。バレてしまった。以後、何だかんだで三種類もの薬を処方してもらう羽目になってます。月に1回は顔を出さないといけない。文句を言う筋合いのものではないんですが、でも内心、失敗したと思っています。

で、今回の抜歯ですが、2回目は消毒だけで放免かと思ったらとんでもない。ついでに歯石を左半分だけ削られて、残りはまた来週とのこと。うーん。家人に聞いたら保険の関係で全部の歯を一気には処置しないそうですね。

「他にも数本、虫歯の危険性がありますね」というので「はい。用心します」と返事したら、これは違うらしかった。こっちとしては食後にしっかり磨くようにしますというつもりだったんですが、「とんでもない。処置しますから」という。そうか、他の歯も処置するのか。医師の立場としては放置なんて論外なんだろうなあ。まだ数回は通院することになりそうな気配です。

いったん顔を出すと簡単には終わらないんですよね。いいいことなんでしょうけど・・・。

tetsudodaiba.jpg★★★ 講談社文庫

前から読もうと思っていたものです。ただ、図書館のデータベース上では両方あるはずなのに、現実の書棚にはなぜか上巻しか発見できない。消息不明です。

仕方なく主義に反して上巻だけ借りました。こういうこと、よほど厚い分冊でない限り、やらないんですが・・。

上巻はロンドンを発ってからオリエント急行でトルコ、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インド、そしてセイロンまで。こよなく列車の旅を愛するシニカルな中年男が、ひたすら飲み、読み、話し、うんざりし続ける旅の記録。叙述はかなりオーバー目であり、しっかり偏見に満ち、汚い連中は大嫌いだけれど、しかしそんな貪欲で貧しい人々を(ほんの少しだけ)愛する気分も持っている。

いったいいつ頃書いた本なんだろう。えーと、調べてみると「The Great Railway Bazaar」は1975年刊行と発見できしまた。38年も前なのか。日本では昭和50年。まだソ連がしっかり大国だった時代ですね。イランもホメイニの革命が起きる前で、パーレビ王健在です。

今もたぶんそうですが、この当時列車が通りすぎるユーラシアはものすごく貧しいです。そもそも名にし負うオリエント急行だって、中身はボロボロ。食堂車がついていない路線もあるし、寝台車の切符を持っているからといって本当に寝台が確保できているとも限らない。車掌に数ドルのワイロを使えばすべて円満解決なんですが、でも悔しいから(できるだけ)ワイロを使わずに乗り切ろうと画策します。

聖人君子ではないので「イギリス人のオンナ、いるよ」と聞くとつい心を動かされたりもするし、危ない場所へいって怯えたりもする。ひたすら酒を飲んで寝て、たまに腹が立つといいかげんな車掌相手に口論もします。そうした人間臭さがこの旅行記の魅力でしょうね。訳者は阿川弘之。柔らかい、これなれたテイストの訳文になっています。

楽しめる本でした。続きの下巻、いつ読めるかは不明。下巻ではベトナムあたりから日本を通ってシベリア鉄道の模様。日本もしっかりこきおろされるんだろうな。


歯科医院へ。

歯医者というところに行くのは生まれてこのかた、二回目です。いい歯を恵んでくれた親に感謝。前回はいつだったか、たぶん20~30年前ですか、虫歯になった親不知を抜いてもらったんだと思います。たしかすぐチョンと抜歯されて、もう一回来いというので行ったら、なぜかブラシッング指導かなんか受けてブラシも買わされた。それっきり。

今回のは第七歯というのかな。いちばん奥です。4~5年前に(当時は毎日飴玉をなめてたせいかな)痛みだして頬が腫れた。でも我慢していたら痛みもおさまり、数カ月たつとまた少し痛む。その繰り返し。甘いものを食べるとテキメンに悪化のようです。舌でさわると完全にえぐれてグラグラしてるのがわかります。

先月あたりまた少しシクシクするようになったので、ついに決心しました。こんなことに気をつかうのに飽きた。サッパリ抜いてしまおう。

歯科医院、勝手がわからないですね。座れと言われた椅子に座り、ここにアゴを乗せてここを噛んでくださいと指示されてレントゲンを撮り、最近は痛くないですよォとなだめられながら麻酔注射され、力が入ってます、もっと肩を楽にして~と言われたって力の抜き方がわからない。

「もう少し早く来てくれればなんとか処置して抜かずにすんだのに」とか言われましたが、いえいえ。温存処置なんてとんでもない。サッパリお願いします。で、あっけなく抜歯成功。

抜いたのをみたら、案の定、汚い歯の根元に3分の1くらい穴があいていました。やれやれ。

「痛くなったらのめ」と鎮痛剤をもらいましたが、我慢できない痛みではなかったのでまだ服用せず。だいたい薬ってのは好かんのです。すべてが野蛮人的ですね。

明日また診てもらうことになっています。2日でカタがつけば御の字。これで歯の数がたぶん27本に減ったはずです。この歳までよく保ってる。

inoueyasushi.jpg★★★ 「井上靖集」筑摩現代文学大系70

うん。だいだい記憶どおりでした。

少しおぼろだったんですが、この小説の茶々はまず京極高次、次に蒲生氏郷に心を動かされてるんですね。ま、若い娘としては当然です。

信長の姪といったって、大河ドラマみたいにチヤホヤしてくれる人なんかいないし、便利にあらわれる背後霊もいない。高貴ではあるが少し邪魔っけな姫さまとして、どこかの城の片隅でひっそり暮らしている。ときどき顔を出す若いイケメンとか安心感のあるオジサマに心惹かれるのも不思議はない。

姉妹の性格付けもいいです。妹のはわりあい普通の女の子で、ひそかに従兄弟の京極高次を好いている。でも岳宏一郎の「群雲、関ヶ原へ」の初のほうが実はリアル感があって面白いかな。姉は秀吉の愛妾、妹は二代目将軍の正妻、でも自分はたかが大津の城主の妻。なんかさえないわー!という感じで、せっせと亭主の尻を叩く。もっと出世しないさよ。

張り切った亭主はいろいろ策動するものの、いつも裏目に出る。東西決戦でも数万の西軍に居城を囲まれ、さんざん頑張った末についに開城、でもちょうどその当日に関ケ原の戦いが終わってたなんて・・・せめてもう1日防戦できていれば数十万石は間違いなかったのに。

「淀どの日記」で末の妹、は、性格のはっきりしない娘です。姉たちほどの美貌ではない。よくいえば腹が据わっている。動じない。少し鈍感にも見える。で、地味ななりにせっかく結婚したと思うと生木を割かれて、子供は引き離され、もう世の中に期待なんか持たないから・・と冷えきっている。

そんな末の妹が若い婿さん相手にポコポコ子供を産んで、結果的には(本音は知りませんが)幸せな後半生を送る。不思議な巡り合わせです。

井上靖の女性時代物の特徴と思いますが、彼女たちの世界と男どもの世界は切り離されています。男連中が権力闘争したり戦を計画したり、殺したり、そうした生臭い動きは女性たちの耳には直接入ってこない。みんな後になって、侍女たちが聞き込んできた噂として伝わってくる。不確実です。

すべて間接的というか、臨場感はない。外界はおぼろな影絵のような世界です。現実感がないなあ・・と思っていると、ある日とつぜん敵兵が城を囲んだり、いきなり使者が訪れて一気にリアルな世界に突入。わけもわからず駕籠に乗せられて、どこかへ連れ去れる。情報なし。どこへ行くのか、聞いたって誰も返事をしない。流れに従うしかないんですね。

もちろん亭主が刺繍しながら、家族に戦いの相談をするなんてことは金輪際ありません。赤ん坊の産声を聞いて城兵がなぜか静まるなんてこともないです。

警戒厳重な安土の城内を子供がウロウロするなんてもっての他だし、戦乱の伊賀越えした女の子がいきなり明智光秀と面会して、光秀が弁解めいた施政方針演説するなんてこともないです。


なかなか面白い本でした。このままもう少し井上靖を読み続けようかな。

yokihiden.jpg★★★ 講談社文庫

井上靖は好きでした。子供の頃から、たぶん刊行されたもののほとんどは読んでいると思います。とくに自伝的要素の強い洪作もの、「夏草冬涛」「北の海」なんかは繰り返し読んでいます。比べると頻度は落ちますが西域ものもいいですね。

ところで勝手に断言してしまうと、井上さんの現代小説に登場する女性はだいたい2種類しかないと思っています。ひとつは「上等な」女性。たぶん井上さんはこのタイプにコンプレックスを持っている。品があって強くて、すこし意地悪。もうひとつは「女鹿のような少女」で、純粋清冽かつ一途。

楊貴妃はもちろん「上等」な部類の女性です。皇帝に召されて夫から引き離され、もちろん素直に従うけれども強い自我を持ち、わがままです。嫌なものは嫌。ならぬものはならぬ。死を命じるんなら命じろ!

この女性像、「淀どの日記」「額田女王」なんかとも共通しています。男どもの政治、権力争いから身を引こうとはしているが、でも巻き込まれてしまう。立場と時代ですね。仕方ない。

読むたびに印象に残る部分は異なってきますが、今回は楊家の3人姉たち。三国夫人です。みんな美人で賢くて口が上手で、度を越して派手に遊んだみたいですが、そうした贅沢も権力もしょせんは義理の(名目上の)妹である楊貴妃しだい。

貴妃が失脚すれば、もちろん楊一族が連座させられるのは決定事項です。いわば薄氷の上での権力。それを彼女たちはしっかり自覚していて、でもうたかたの享楽であっても貪りつくそうとしている。太く短くでもいいじゃないの、楽しみましょう。ある意味、けなげです。

ということで、「淀どの日記」も読み直してみました。

kowareyasui.jpg★★ 角川書店

ニール・ゲイマンは「アメリカン・ゴッズ」「グッド・オーメンズ」などなど、ファンタジーというかコミックタッチというか、ちょっと形容の難しいものを書いている人です。人によっては「詩人だ」というかもしれません。

あまりストーリーが上手とは思いませんが、一つ一つのシーンは非常に鮮烈、綺麗で印象的。だから、詩人。

そのゲイマンの小品、短文(詩のつもりかな)のコレクション。よく言えば繊細で、たしかに「壊れやすい」短編集です。けっこう「?」な短編もありますが、一応は意味ありげで、好きな人にとっては素晴らしい一冊なんだと思います。
試用中のPhotoshopでシリアル番号を登録。問題なく進んだのですが、「おめでとう!」というようなメーセッジが出るわけでもなくて、なんとなく残尿感のある終わり方。ま、いいかと一旦終了して再立ち上げしてみると「adobe認証プログラムを完了してください・・」というような趣旨のメッセージが右下に一瞬出ました。やっぱり途中で切れてたのかな。

いったん終了して立ち上げしたら、こんどはアプリケーションウィンドウが動かなくなってる。まるでフリーズしたような雰囲気です。あらら。

仕方ないですね。Ctrl+Alt+Delで強制的にプログラムを終了。またトライしてみましたが、やはり同じくフリーズ現象になる。

なんか嫌な雰囲気なので、仕方なく再インストールしみました。試用版からではなく、まっさらなインストール画面からシリアル番号を登録。うーん、今度は成功したような感じではありますが、しかしまだなんかスッキリしない。

念のために再立ち上げ。すると一瞬ですが、なんかメーセージウィンドウが出て、すぐ大きなアプリケーション画面の裏に隠れてしまった。そして本体は反応しなくなってる。なるほど。このメッセージが原因かな。

はい。「製品向上プログラムに参加しますか?」というような趣旨のメッセージウィンドウでした。こいつが出現したおかげで本体が反応しなくなっていた。いろいろやって(タスクマネジャーで消したのかな。忘れた。)、動くようになった画面のHelpメニューから「参加しない」にチェックを入れて、ようやくスムーズに動き始めました。やれやれ。

PSscreen.jpg初期画面はフルスクリーンで真っ黒です。限りなく宇宙のように黒い。まるでMacみたいな雰囲気です。よくいえば洗練されている。悪くいえば存在感を主張しすぎ。さいわい「環境」メニューから背景色を選べたので、邪魔にならない薄グレーに変更しました。やれやれ。

かなり使い勝手が変っています。現在、あちこち調べながらカスタマイズ中。慣れるまでにはまだ時間がかかりそうです。

アーカイブ

最近のコメント

このアーカイブについて

このページには、2013年3月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2013年2月です。

次のアーカイブは2013年4月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

OpenID対応しています OpenIDについて