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原書房★★
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うーん、副タイトルは「においと味覚の科学で解決する日常の食事から摂食障害まで」。食の雑学集ですね。食べ物にまつわるいろんな研究結果や意外な事実をズラズラ ズラズラ列挙している。

たとえば小さな皿と大きな皿。大きな皿なら食べ物が少量に見えるので、結果的についつい食べすぎてしまうらしい。太る。それにしても「甘いものをたべると人は親切になる」ってホントかなあ。そんなふうに、食物に関する「感じ方」「フィーリング」なんて、みーんな脳のなせるいたずらです。

別件ですが、カリカリベーコン。確かにいい香りではあるけど、とりわけアメリカの連中はものすごく好きらしい。ベーコン匂いの下着まであるとかで、なんか興奮する匂いなんだろうか

思い出したけど、映画「ダンス・ウィズ・ウルブス」で、汚い貧相な男が荒野でベーコンを炒めるシーンがあった。うまいものを食べられぞぉ・・とニタニタしながらフライパンを火にかける。で、ニタニタしながらインディアンの矢に尻を射られて転げ回る。

ヘミングウェイの短編にもありましたね。川で確かイシモチかなんかを釣って、河原で厚切りベーコンの脂で炒める()。あれはうまそうだったけど、ほんとにベーコンだったかなあ。そんな記憶なんだけど。最近は記憶があてならない。

個人としては「厚切りベーコン」なんて食べたことなし。いつも薄切り。食べたことのある日本人、あんまりいないような気もするんだけど。()

たぶん「川を渡って木立の中へ」じゃないかと。おぼろげ。

タレントで「厚切りジェイソン」なんてのもいましたか。なんの厚切りかは不明だけど、「厚切り」は日本で好かれている言葉として命名したんだそうです。


河出書房新社★★★
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サピエンス全史の続編です。テクノロジーとサピエンスの未来。

前作では人間の特質を「虚構をあやつる才能」と定義しました。そこに「虎がいる」という事実ではなく、「危険な虎が来るから槍を作っておこう」と隣人に語れる。
「虎神さまに祈ると危険を避けられるぞ」でもいい。つまりは「嘘」を語る能力です。実際にはないことをあるかのように語る=嘘。

こうしてホモサピンスは他のサルたちから抜け出しました。共通の「嘘」を芯として大きな人間の集団が可能になる。神が生まれ、村落ができ、神官や王が誕生する。「大義」や「正義」のために殺し合いもする。

で、自作はホモサピンスの未来です。これから人類はどこを目指すのか。

上下二巻をつかって述べられているのは、これまで語られてきた「人間が人間であるゆえん」はほとんどが虚構であるという事実です。人間性とか精神とか魂とか・・・すべて嘘。そういうフワフワしたものは存在しない。人間もまたひとつのアルゴリズムに過ぎません。

アルゴリズムというのは、こうすれば次はこうして、それから何をしてこうする・・・という手続きです。ま、コンピュータも精緻なアルゴリズムで動いています。機械もそうだし、動物も生命も人間も、しょせんは大がかりなアルゴリズムなんじゃないだろうか。

こうした考えをつきつめると、ホモサピンスの未来はあまり明るくない。ディストピア。

新テクノロジーは、最初は苦役を減らすため、貧しい人のため、苦しむ病人のために開発されます。しかし、かならず特権階級のための技術に変貌し、独占される。「人間性」とかいうまがいものを捨ててしまうと、あとに残るのはテクノロジーと冷徹な合理主義でしかないです。

臓器の移植。長命医療。遺伝子改良。果てしなく新発明がなされ、躍進、変貌していく。結果はエクセレントスーパーマン。いわばホモ・デウス(神人)です()。ただし、膨大な資本投入による新技術の成果は、ごく少数の手に握られるでしょう。極端な二極分離。特権階級とその他大多数との分離ですね。まるでSFですが、新貴族階級の誕生はそう遠くないかもしれない。

いや、完全なディストピアだけが道筋ではないと著者は言いたいのかな。でもねぇ。何か悪いことが想像できるような場合、たいていはその「最悪」の道を選択してしまうのがこれまでの人類でした。マーフィーの法則ですね。

いやいや、気候温暖化でも核戦争危機でも、それれでもまだ人類は滅びていないぞ。そう考えることもできるかな。まだかすかな希望は残っているのかもしれない。

遺伝子治療で生まれてくる子の疾患を治療・・・という考えと、生まれてくる子を遺伝子技術で天才かつスーパーマンに・・・。その差はごくごくわずかしかない。


文藝春秋 ★★★

shounenki.jpg予想外に良かったです。

大学を出てから欧州放浪、帰国してカヌーに出会うまでが好編 『旅へ』でした。これは沢木耕太郎の「深夜特急」なんかにも少しは似ていますが、(だいたい沢木ってのは気取りすぎなんですかね)比べるとはるかに深い。はるかに正直。久しぶりに『旅へ』のリンクたどってみたら当時は ★★★に評価していた。 ★★★★で修正してもいいくらいだな。

で、「少年記」はその前編にあたる内容です。熊本の小学生が川に出会い、南国の豊穣に酔いしれる。清流で魚を追い林に入って鳥をつかまえる日々。ただ、家庭の事情で北九州の都会に移転。都会には川がない。緑がない。少年は煤煙で空気が濁り、自然の欠落した都会の生活を嫌悪します。

発作的に学校をサボって田舎に逃げたりしながらも、そのうち深夜ストイックに勉強することに喜びを見いだす。ただし面白いと思ったのは英語の勉強だけ。勉強すればするほど充実感がある。

そうか。野田知佑という人は子供の頃から魚をつかまえる名人だったんですね。ねっから都会には馴染まない。カヌーに出会えてよかった。

英語もずーっと好きで、毎日単語30を覚えることを課したと書いている。すごい。赤尾の豆単はもちろん、なんか他の単語帳もマスターしたっぽいです。高校時代から原書も読んでいたらしいし。

直接関係はない話だけど、なんで自分は高校時代「暗記」がイヤだったんだろ。高校で三角関数の公式をどうしても丸暗記したくなかった。他の式から簡単に導けるものだから・・と称して暗記を拒否。これで数学がダメになった。大学入試の数学なんて1割もとれていなかったはず。

歴史の年号なんかもそう。覚えてしまえば楽なのに、なぜか嫌がった。いまでも正確に覚えている歴史年号なんて、世界史日本史ぜんぶ合わせても5コか6コ。。英単語もダメだったし。

不思議だなあ。

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