Book.03_2の最近のブログ記事

小学館 ★★★


maison.jpg5巻までしか買ってなかったはずのシリーズが何故か11巻まで増えていることを、先日発見。どこかにしまいこんであったのかなーと不思議だったが、どうも子供が買い足したらしい。

ま、いずれにしても嬉しいことで、それからは寝る前に一冊ずつ読み進み、ついに終了。たしか15~16巻までは出ているらしいが、機会があったたらまた手に入るでしょう。

6~11巻でけっこう謎が解けました。

まず2号室。二階堂なる意地っ張り少年が入室しました。それから積極女子高生・八神が登場しました。元華族の九条令嬢も参加。このキャラクターって「うる星やつら」の純粋培養お嬢様と同鋳型ですよね。水乃小路飛鳥だったっけか。

女子高の雰囲気を描かせたら高橋留美子は最高ですね。上手というより(上手なのは当然!)女子校のポイントを知っているというべきかな。 美化しない。五代の教育実習指導にあたった仏様みたいな教師には笑ってしまった。確か高橋さん本人も、高校大学と女だけの環境で過ごしてきた人ですよね。

追記
11巻でお終いかと思ったら、残りも棚の後ろに隠れていた。そりゃそうだよな。危なかった。

で、12巻以降を現在読みふけり中。九条令嬢いい味出してますねー。水乃小路とはちょっと違うイメージでした。三鷹も犬アレルギーを克服。いい男です。巻が進むにつれて好きになってくる。


ソニーマガジンズ ★★


passage.jpg 土曜日に上巻も入手しました。一気に通読。

「ドゥームズデイ・ブック」に酷似していますね。巨大迷路の中のドタバタ右往左往。思い切ってイヤミな権威スノッブの登場。無責任で能天気な母親。まったくタイプが違って相いれない姉妹。賢い(しかし決して幸福ではない)子供。解けそうでなかなか解けない謎。じれったさ。そして容赦なく訪れる死。

しかし、あんまり好作品という印象は残りませんでした。どっちかというと失敗作の部類に入るんじゃないでしょうか。臨死体験=タイタニックという比喩がどうももピンとこないし、終盤のどんでん返し(!)も思い切って衝撃的ではありますが、でも、だからどうしたの? という雰囲気もある。

ま、読んで損するような本ではありませんが。

追記
これじゃどんな内容の本なのかわかりませんね。

要するに臨死体験を研究している女性が相棒の学者の助けを得て、新薬を使って疑似臨死体験。みんなが言う「暗いトンネルと光」とかなんとかの意味と真実を探る・・てな話です。ここにコニー・ウィリス特有のドタバタや笑いが加わります。笑えるけど、あんまりシンミリはしませんでした。


朝日新聞社 ★★


senkaino.jpg朝日に連載されていたころから読んでいました。だいたいこの人のものは好きですしね。

その連載と他に書いたものを一緒にした本のようです。内容はけっこうダブっていますが、それもまた良し。ボロボロになりかかったご老人が、勝手なことを言いまくっている。

昭和30年代ですか、蓼科の別荘を1万坪買おうとしたという話が今回は面白かった。なんでも400坪が1単位の貸し区画で、当時は坪あたりの借り賃が16円。だから1万坪でも16万円という計算になる。それなら借りられない価格じゃない。ただし町の担当者は「冗談言わないでください」と断ったとのたとです。1万坪の敷地の真ん中に小屋を作って、そこで麻雀でもやろうと思っていたのに・・と風老人、残念そうでした。

もっともその翌年、結局400坪を借りたようです。で、坪単価10万円で別荘を作った。住んでいるうちに飽きてきたので造り直そうと思ったのに、これを作った村の大工さんにとっては初めての一軒家だったんで妙に頑丈に出来てしまった。「ていねいに作ったからあと100年は持ちます」と聞いて本人ガッカリしている。勝手な人です。


passage.jpg ドゥームズデイ・ブックのコニー・ウィリスです。図書館で発見して躊躇なくパクッと借りてきました。

で、ニコニコしながらとりかかったのですが、どうも読みにくい。すんなりストーリーに入れない。へんだなーと思いながら数十ページ進んでから気がつきました。この本、下巻だった! やけに上品な薄い印刷で「下」と記してあった・・。

アホだなー。

なるべく早く、上巻を探さないといけないです。たぶん上下巻揃いだと思うけど、そうするとけっこうな大部ですね。ま、楽しみではあります。それにしてもバカだった。

無事読みおえたら、またご報告します。

講談社 ★★★


mtcrist.jpg新庄嘉章訳です。この本、確か小学4~5年の頃に黒岩涙香の「厳窟王」で読んで猛烈感動し、生涯の愛読書になったものです。「厳窟王」は忠実な翻訳というより翻案に近く、団友太郎とか段倉男爵とかが登場。モンテ・クリストは巌屋島伯爵だったかな。そのうち、中学の頃に新潮社の世界文学全集を家の破れ土蔵で発見して初めて正規版をよみました。ただ、黒岩涙香の重厚さ壮麗さには遠く及びませんでしたね。お露がメルセデスだなんて、なんと浮薄な名前・・とガッカリした記憶もあります。たぶん、この時の訳者は山内義雄さんです。

それからン十年。何回読んだかなー。少なくも10回。たぶん15~20回は読んでいます。で、今回また気まぐれをおこして通読しました。

今でも、それなりに面白いですねー。ただ年とともに、だんだん感激が希薄になってくるようです。メルセデスとかエデとか、以前は憧れの美女・美人だったのが、そうでもなくなってくる。印象が希薄で、デュマってのは女を描写するのが下手だなーなんて思うようになってしまう。最後の方でモンテ・クリストがエデのしなやかな腰を抱いて歩み去っていくシーンなんか、少年の頃は感動ものだったんですが。

で、大分以前から好感を持つようになったのが脇役のフランツという理知的なキャラクター。イタリア人のG*伯爵夫人というのも、読むたびに好きになってきました。不思議なものです。

追記
なんとなくネットを調べたらすごいサイトを発見しました。物語倶楽部。あの「厳窟王」のテキストがそのままHTMLになっている! まだ全編打ち終わってはいないようですが、でもすごい。コツコツと手打ちしてストックしたんでしょうね。これをもう一度読めるとは思いませんでした。ほんと、すごい人もいるものだなー。敬服。他にも興味ある古い本がうんとこさ載っています。

そうそう、このサイトで私の思い込み「巌屋島伯爵」は間違い。正しくは「厳窟島伯爵」であることが判明しました。そうだったのか・・。


光文社


masamune.jpggだいぶ前に買って、たしか途中で投げた記憶なのだが、ふと手にして冒頭を読んだらけっこうイケそうな気配がしたので再読。

再読してみたが、やはり駄作だった。テーマは「歴史のif」もので、家康の上杉成敗のときに伊達上杉連合が実現したらどうだっだろう・・というもの。ま、けっして荒唐無稽な設定でもなく、ありえたかも知れないストーリーだろう。

では何故いけないのかというと・・・ニベもないけど、下手なんでしょうね。人間がちっとも描けていない。やたら政宗が偉すぎるだけで、神様みたいで人間臭がない。部下もみんな単純で、魅力がない。女も出てくるけど、無意味。つまらん本でした。パラパラと斜め読みして、またまた放り投げ。

ま、光文社の本だからなー。仕方ないか。偏見かもしれないけど、版元で本の傾向や質はある程度見当がつきますね。


小学館 ★


karasuyo.jpg例のノルマンディ進攻の寸前、フランスの独軍電話交換施設を破壊しようってんで、いろいろ事情があったんですが、女だけの工作部隊がパラシュート降下した・・・。

というのは史実だそうです。暗号名Jackdaws。辞書をひいたらニシコクマルガラスとありました。関係ないけどRavenはワタリガラスです。ついでにカラスはCrowだけでなく、Rook(ミヤマガラス)、Chough(ベニハシガラス)、Carrion crow(ハシボソガラス)などなど。日本とは関心が違います。この逆が海草なんかで、ワカメもコンブもホンダワラもSeaweed。直訳すると「海雑草」ですか。面白いもんです。

それはさておき。

ケン・フォレットって、いいストーリーを作る人という印象なんですが、今回はダメでした。冒頭でいきなり美貌でセックスアピールがあってスキのない女レジスタンスが登場。ヤバイ!と感じたら案の定でした。この工作員が間に合わせのグループを急遽つくってフランスに飛んで、これもやり手の元警察官(ロンメル配下)とやりあう。美女、拷問、処刑、濡れ場、てんこもりです。余計なことだけど、表紙イラストも超ひどい。趣味が悪いだけでなく、稚拙。

そんなにサービスしなくてもいいのになあ。そういえば、「大聖堂」ってのもケン・フォレットだったっけ。あれはサービス皆無という雰囲気で、中身にはかなり重みもあって興味あったんだけど、なぜか最後まで読み通せなかった。相性の問題なのか、それとも単に私の根気がなくなっただけなのか。

教訓=装丁のひどい本は中身もよくないと覚悟すべし


みすず書房 ★★


claudius.jpg帝政ローマ皇帝クラウディウス。あんまり知ってるひとはいないでしょうね。えーと、例のカリグラの次の皇帝です。カリグラが殺されて、次に誰を皇帝にするかというとき、フッと浮かび上がった人。もう年で、おまけに歩行が不自由で顔が貧相で、どもりのアマチュア歴史家。民衆の人気もなかった。一説によると暗殺されないためにわざとアホのふりをしていたという話もある。

でも、皇帝になったらそれなりの皇帝で、ちゃんと遠征(ブリタニアだったかな)もして、それなりの成果を上げた。でも最後は悪い女房に毒キノコを食べさせられてあっけなく死去。

・・という人物を、どうも詩人らしいこの作者が執筆。資料はほとんどないようなので、ほとんどはフィクションです。でも、いかにも真実味のあるフィクション。みんなにアホあつかいされているし、本人もアホ面してるけど、けっして愚かではない男の叙述。

読みごたえもあり、久しぶりに面白い本を探したなーと喜んでいたのですが、あいにく変な洋書にとっかかっていたため、借り出し期限内では3分の1くらいしか読めなかった。残念。

また機会があったら借ります。いい本ですよ。


いま長期計画で取りかかっているSong of Ice & Fireシリーズの第3巻。いまのうちにアマゾンに注文しておこうかなと調べてみたら、ペーパーバックスでなななんと1200ページ以上あるらしい。

うーん。こんな厚いの、カバンに入らない。

調べていくうちにこの大部を上下2巻(Steel and Snow, Blood and Gold)に分けたものもあるらしいことが判明。UK版のような雰囲気なんだけど、同じペーパーバックスでも少し大きいようにも見える。かなり品薄のようで、注文しても在庫があるかどうか。

少し財政状況が改善される(予定)来月にでも真剣に考えてみよう。

角川書店 ★★


prince.jpgま、超有名ですから、誰でも知ってるますよね。ただ、たいていは子供むけの省略版だったんじゃないでしょうか。マーク・トウェインの本って、面白いことは面白いけど、けっこう子供には退屈な部分もあったりします。

で、この本は完全収録版だそうです。なるほど、確かに一味違う。たとえば逃げ出した乞食姿のエドワード王子が森で放浪の乞食軍団とすごす夜の叙述。ヤケになって連中が飲んだり唄ったりというキテレツで悲しいシーンですが、こりゃ子供には難しい。

子供の頃から不審だった「なぜ貧しい騎士は、誇大妄想の少年をきちんと王子としてあつかったのか」というあたりは、やっぱり不審がぬぐいきれないままでした。いちおう説明はしてあるんですが、説得力がない。

思い起こしてみると、私にとってトウェインは「アーサー王宮廷のヤンキー」が○。「オルレアンの少女」は×。この「王子と乞食」は△くらになるのでしょうか。おなじみのものでは「トム・ソーヤー」が○。「ハックルベリー」は△。中短編小説はたいてい○なんですが。


早川書房 ★★★

canto.jpg 南米の某国。貧しい国の副大統領邸で開かれたパーティ。主賓はニッポンの大企業社長。彼をこの地に誘い出すために、超人気の歌姫も参加する。この社長、実はオペラにぞっこん惚れ込んでいて・・・・。

ま、以前のペルーの日本大使館襲撃事件が下敷きですね。数十人の世界の要人(といっても本物の超VIPはいない)たちと、比較的穏健なテロ集団の間に芽生えるストックホルム症候群。要人たちは強制的な無為の休暇が得られたし、貧しいテロリストたちは豪華な施設とハイテク、食事、娯楽に酔いしれる。しかもタダで歌姫の詠唱が毎日聞ける。隠していた、あるいは知らなかった才能が芽をだし、愛までも目覚めてくる。

いい雰囲気の本です。虚構の楽園、みせかけのアットホームであることは人質もテロリストも承知のはずなのに、だんだんはまってくる。もちろん、最後は現実が襲いかかり、虚構はあっけなく崩れさります。

なんというか、全体に漂っているユーモアの感覚がストーリーの荒唐さを救っているような感じでした。楽しめる一冊です。


新潮文庫 ★★★


rat.jpg映画スターリングラード(見てないけど)の原作になった本らしい。スターリングラード攻防戦のさなか、ウラル育ちの元猟師である狙撃手ザイツェフ(兎)とナチ親衛隊大佐、ハインツ・トルヴァルトとの一騎打ち。

面白い本でした。わざわざお金を出して買った甲斐がある。当時の狙撃手にとっても350~400メートルくらいは「中距離」だったんですね。スーパースナイパーの親衛隊大佐はどうやら1000メートルくらいは撃てるらしい。

登場人物の多くは実在とのことです。親衛隊大佐がバリバリのナチという感じではなく、白い手で小太りの貴族趣味(自称臆病)というのも、そのへんの絡みかもしれません。

露系アメリカ人の女狙撃手ターニャは、映画ではユダヤ人という設定で、政治将校(小説ではちょっとコミック味の小男)とラブロマンスもあるらしい。ま、映画ではそうしない間がもたない。小説の方のターニャはセックスアピールはあるけど鬼のような復讐鬼です。

そうそう、ほんの少しですが、厭味な白髪の政府幹部としてニキータ・フルシチョフも登場します。


集英社 ★★


kamigami.jpg副題は「ラフカディオ・ハーンの生涯 日本編」

ハーンの奥さん「セツ」についての疑問がはれました。いままで読んだ小泉八雲ものでは、どうもセツさんができすぎ。完全無欠すぎた。八雲も聖人君子みたいだし。

もちろん八雲の素晴らしさ、才能などを否定している本ではありません。ただ八雲には無限の優しさや感受性と同時に、ジャーナリストとしての計算高さもあった。また異常なほどの猜疑心もたっぷり持ち合わせていた。みんなが自分を裏切ろうとしている、陥れようとしている。「陰謀デス」というのが口癖だったそうです。

セツさんも、家計が豊かになってからは遊び歩くのが大好きになったらしい。貧しかった子供時代、初婚時代の反動でしょうね。八雲の晩年、念願の家を作るときには異常なまでに熱中して、毎日のように外出。夜10時11時に帰宅することもあったとか。ヒステリーの気味もあり、これが原因(?)で長男は母親を嫌ったともいう。というか、そもそも母親と性格が合わないパパッ子だったから母のヒステリーを許せなかったのかな。

そんな意味で、けっこう面白く通読しました。


早川書房 ★


kamisori.jpgハイペリオン/エンディミオン・シリーズのダン・シモンズなのでちょっと期待。しかしまぁ何というか・・・読み切ったのがエライ、と自分を褒めてあげたい。

内容は有能かつ富裕かつ孤独な保険事故調査員が数々の事故の謎をたちどころに解明し、後半はベトナム戦時代の経験を生かして巨悪と派手にドンパチ(もらろん愛する女性救出なども絡む)。かなりひどい本です。

唯一興味を持てたのは狙撃手、スナイパーという仕事です。大昔、たしか石原慎太郎の小説で1000~2000メートルの距離(しかもビルの谷間)から遠隔殺人するというストーリーがあって、びっくりしたことがありました。ゴルゴ13は決して虚構とは言い切れないんだ!

狙撃兵は、はるかかなたから相手の目を見て殺すのが特徴です。単なる「敵戦車」とか「敵兵」などという象徴的な事物ではない。明確に一人の人間を殺す。これから殺すべき相手の顔が見える。表情もわかる。死の瞬間の驚愕をみることだってできる。戦争ではあるけど、感覚として「殺人」にいちばん近い殺し方ですね。

故に、スナイパーは敵につかまると、まず助からないという話を読んだこともあります。憎悪の対象。まずなぶり殺しになってしまう。

今回の本でも「狙撃兵がまず真っ先に殺すのは、敵の狙撃兵」という一文がありました。そりゃそうだろうな。要するに自分にとっていちばん危険な相手から殺す。狙撃兵を撃ち、砲手を撃ち、それから指揮官を撃つ。

ということとは別に、ちょっと魅力のある仕事(?)ではあるでしょうね。要害の場所に陣取って、武器弾薬がたっぷりあれば敵の小隊くらいは撃滅可能。誰かの小説(※)に「たった二人でロシア軍兵士を50~60名、戦車数台、車両10数台破壊して生還した」というドイツ軍狙撃兵のストーリーがありました(数字はかなりいいかげんです)。たしかヒトラーに激賞されて、国家英雄になってしまう。そういう面白さがあります。成功版アラモ砦みたいなもんですか。

※ 補遺
スティーヴン・ハンターの「魔弾」かな。


文藝春秋 ★★★


clone.jpg珍しくオーストラリアもののクローン小説。主テーマは聖遺物からとったキリストの細胞を使ってクローンなんとか・・というごく陳腐なものだけど、登場人物のキャラが非常に新鮮。

40代後半、閉経間際、この世のどんな場所より無機質な手術室が落ち着けるという未婚(かつ処女)の不妊治療医。相棒はデブデブ太ったゴシップ命の、しかし有能な胎生技術者。そして少年のように身勝手かつ自由な天才遺伝学者。

このクールな女医が天才遺伝学者と一夜を過ごして、彼の寝ている間に汚いシャツ(だったかな)をつい洗濯してあげてしまう。普段はつっぱっていて、容貌にもスタイルにもまったく自信もなく無視。何を着ても似合わない。でも密かに肌の美しさだ小さな誇りを抱いている女性です。そして、たかが洗濯なのに、なぜかそのときだけは素晴らしく充実してしまう。

人間の複雑さ、面白さを感じされる一冊です。あっ、最終結末はちょっと・・という感もありますが。


文藝春秋 ★


diable.jpgアレクサンドル・デュマ(ペール)の父、黒い悪魔と敵から恐れられた巨躯の混血将軍のお話。そういえばデュマ・ペールも父の血を引いて、ちょっと髪の毛が縮れていたらしい。関係ないけどそのまた子供のデュマ・フィス(椿姫)の容姿はどうだったんだろ。

佐藤賢一の本、面白いといえば面白いけど、一本調子で飽きるといえば飽きる。ちょっと前の時代を描いたナントカカントカという本(タイトルは忘れた。ゲクラン元帥のストーリー)もそうだったなー。ヒーローが真っ正直で熱血漢で腕力主義すぎるんだろうか。このデュマ将軍も、資質としては統率将軍ではなく実戦部隊の中隊長か大隊長あたりがピッタリの人物だよな。

熱情や腕力がものを言う時代から戦略や兵站、砲兵がものを言う新時代への移行。それがナポレオンの革命だったんだろうな、と勝手に納得してます。


角川書店 ★★


veteran.jpgフォーサイスには珍しい短編集で、含まれているのは「戦士たちの挽歌」「競売者のゲーム」「奇跡の値段」「囮たちの掟」「時をこえる風」。

やっぱり、短編はあんまり上手じゃないね。気が利いてはいるんだけど、どうも無理なところがある。それとも訳がいけないのかも知れないな。肝心な部分がいまいち明快に分からない。

最後の「時をこえる風」はカスター将軍に従軍したスカウトとシャイアンの娘の恋物語で、けっこういい味なんだけど、いちばん最後の数ページぐらいが腑に落ちない。たとえば極寒の山の洞窟で二人が初めて愛をかわしたらしいんだけど、そのときに娘の悲鳴が聞こえてくる。この悲鳴が何を意味しているのか。歓喜ではない・・という趣旨のことが書いてある。では何で悲鳴を上げたのか。悲しみ? 驚愕? それなら山の下にいた敵役が「憎々しげに」になる理由がないし・・・。

それとは別に、フォーサイスという人。確かに女性や濡れ場を書くのも得意じゃないのは確かです。


新潮社 ★★★


zenkon.jpg飛騨高山の近くらしい合掌造りの家。ただし住人たちは歯の抜けるように次から次へと里へ逃げ出し、いまでは母と男の子の二人だけが昔ながらの暮らしを続けている。

その雲の上の世界へ下界から時折迷い込んでくる旅人たちが、一杯の白湯をご馳走になり、トチ餅をつまみながら話をしてくれます。一応は関連が付けられたオムニバスで「侍の妻」「毒消し売り」「盆嬶」「無限寺」「天鏡峠」「餅のなる樹」の計6編。

こういう土俗的な雰囲気ってのは、坂東眞砂子の真骨頂ですね。とくに女がいい。私は15歳で3日限りの夫婦生活を送る「盆嬶」が面白かったです。全体に、妖気や怪奇は比較的少ない一冊です。(もちろん、多少はあるけど)


早川書房 ★★


kobuta.jpgお馴染み、グールドのシリーズ。この人の本はみんなそこそこ面白いのだが、完全に読み切ったというケースが少ない。恥ずかしながら途中で飽きてしまう。それにタイトルが同じような印象なので、そのうち読んだか読まなかったも忘れてしまう。困ったもんだ。

子豚とは、指のこと。なぜ動物(四足脊椎動物)の指は5本なのか。一見1本とか2本にみえていても、解剖学的には5本。たとえば馬の場合は中指が発達はしているが、その他の指の痕跡は残っている。不思議ですね。

という常識を破って、実は6本、7本、8本という例もあって、実は・・・・というのが子豚のお話らしい。うんうんと面白く読んだのだが、もう細かい内容は忘れてしまった。困ったもんだ。


原書房 ★★


arthur3.jpg前に読んだ「エクスカリバーの宝剣」が巻1。巻2が「神の敵 アーサー」。そしてこの「エクスカリバー最後の閃光」が巻3。それぞれ上下があるので、全6冊。で、巻2、巻3を一気に読み通し。ま、悪くはない本で、けっこう楽しめました。

このシリーズに登場するグィネヴィアば自立した女性の先駆者みたいで、なかなか魅力的。ランロットが蛇のように狡猾な美青年ということは、もう書いたかな。悪役になってるけど、これはこれで味のあるキャラクターになっている。ただ単純に、超賢くて臆病だったというだけのことなんだけど。野蛮に剣を振るうのが怖いもんで、仕方なく頭を使う。

マーリンを虜にするヴィヴィアンは小汚い狂信的なシャーマン女だし、ガウェインはアホな美青年だし、アーサーは人間の善意を信じたくてたまらない単純かつ強力な武将だし。

ま、なかなかでした。


原書房 ★★


arthur1.jpg子供騙しかと思ったが、意外に良かった。コーンウェルの「小説・アーサー王」全3部作の第1部。

サトクリフの「落日の剣」よりは神話的でなく、つまりカッコ付けが少なく、それが良いことなのか悪いことなのか。登場人物たちの生活ぶりなんぞはどちらも同じようなにリアル(悲惨)だが、なんせ5~6世紀のブリテンだからね、実際に悲惨だったんだろうなー。せいぜい60騎とか100騎とかの戦士たちが鍔迫り合いして狭い王国の覇権を争い、あるいは東部から潮のように攻め寄せてくるサクソン勢と激突する。

そうそう、この小説ではランスロットが仇役です。悪役というより、天使のように狡猾な美青年、という設定かな。コーンウォールのトリスタンなんかも顔を出しますが、特に高貴な騎士というふうでもない、普通の武将。そうそう、マーリンも登場します。

やたら出てくるドルイドたちが面白かったです。多くの小説に見られる神秘的な僧というより、ま、土俗的なシャーマンの扱いですな。クソや小便で髪を固めて、跳んだり跳ねたりツバを吐いたり入神したりして呪術を施す。どこの軍も従軍ドルイドなしでは戦えない。

ま、簡単に言うと、ローマ去りし後の超貧しくて、超情けないブリテンの島を舞台にした、おどろおどろしく、でも少しコミカルなストーリーですね。多分、続編を発見したら読むと思います。


講談社 ★


kaizoku.jpgタイトルを見て危惧した通りの結果となった。愚作。

海賊・血まみれオッカムが20億ドル相当の金貨や宝石をとある島に隠匿。それを発掘しようと近代的装備のトレジャーハンター隊がのりこむ。しかしお宝を隠したのは当時の天才的設計家であり、数百年を経てなお次から次へと仕掛けられた罠が発動・・・・というストーリーそのものは悪くはないんだけど・・・。

登場人物がみんな浅い。動機があいまい。罠も平凡。最大の仕掛けである「ミカエルの剣」の秘密さえ、途中ですぐ見当がついてしまう。凡庸な作家が凡庸な思いつきだけで書くと、こんな本になってしまう。

それとも最初から映画化されることを予想して書かれたのかな。B級映画としたら実にぴったりの舞台。派手な設定と手に汗握る決闘と、そしてヒーロー&ヒロイン脱出の背後ではお決まりの大崩壊で、金銀財宝は底知れぬ海底へ沈みこんでしまう。

でも、読んで損をした、というほど悲惨ではなかったのが救い。それにしてもこの「ミカエルの剣」という代物、誰がどうやって鍛え、装飾したというんだろう。人間ワザではないな、たしかに。


成文社

handhang.jpg タイトルに釣られて借りて、挫折。マリア・テレジアの頃の中欧に関してはほとんど知識がないので、けっこう期待したんだけど・・。

内容が外国人(日本人)にとっては詳細すぎるのかもしれない。出て来る政治家の名前も文化人の名前も、まったく知らない。馴染みがなさすぎる。で、そうした人々がハンガリー(というより、帝国のハンガリー地方)に与えた影響なんぞをるると述べていらっしゃる。

失敗。


原書房


arthur.jpgサトクリフという作家は一作だけ読んで、けっこう好きになった。何という本だったっけ。えーと、「「落日の剣」」か。史実としてのアーサー王伝説をなんとか書き綴ろうという内容で、おとぎ話とはいえけっこう重さが残った。

で、こっちはジュブナイルのアーサー王伝説そのもの。円卓の騎士のお話って、かなり覚悟してかからないと読めないほど荒唐無稽だし、ひとつひとつの挿話がなんとも阿呆らしい。いまさらながら、その阿呆らしさに辟易してしまった。

挫折。


草思社 ★★


yurindo.jpg以前、横浜に住んでいました。横浜における有隣堂というのはたぶん東京の人が感じる丸善なんかに近いんじゃないかなと想像しています。大きい本屋さんというだけでなく、ちょっと文化の匂いがある。

その有隣堂(古い書店で第一有隣堂、第二有隣堂・・・とノレン分けした店が古くはいっぱいあったらしい。そのうちの一つが大きくなった)の事実上の創業者にはぜんぶで11人の子供がいて、みんな優秀で勉強が好きで、がんばって、ま、大正・昭和のころの豊かな中流階級ですね。ベリーアッパーミドルとでも言うべきかな、資産はあるけど華族とか財閥というほどではない。

長女が今のフェリス(もちろん女学校)を一番で出てアメリカに留学。父親は経営不振の折りながら必死に仕送りしたとか。何番目かの息子が海軍兵学校へ行ったとか、東大に入ったとか。戦前の優秀な大家族の暮らしぶりが見えます。

著者は経営には加わらず、物理系で大学の先生で終わった人らしい。そうそう、山手学院もこの一族が小さな英語塾から育てあげたものとは知らなかった。ま、文章はそれほど達意ではないし、よく目にする「自分史」の比較的上質なものというような本です。


文藝春秋社 ★★★


mandara.jpg坂東真砂子は久しぶり。この前読んだのは「猿嫁」だったかな。何年前のことだろう。正確なタイトルは忘れました。あと、たしか「山妣」というのが、けっこう面白かった記憶がある。ヤマンバではなくヤマハハとルビが振ってあったような。

この「曼陀羅道」のテーマは何なんでしょう。人間の業(ゴウ)ともいえるし、衆生と救いの道の模索ともいえるかもしれないし、とにかくやたらとフニャ魔羅とそそり立つチンポと強姦が出てきます。

富山の薬売りという設定はよかったですね。単なる想像ですが、富山の薬売りが戦前はインドシナやマラヤまで進出していた・・という事実を知ったことがこの小説を書くきっかけになったとしても不思議はないです。屏風のようにそそり立つ立山連峰の麓の富山という舞台も悪くありません。

それにしても後半、ワープだらけの曼陀羅道をさまよう傀儡連が求める「薬師」。クスシなのか、ヤクシなのか。小説の最初の方に出て来るマラヤのシャーマン(?)は間違いなく「クスシ」だとは思うのですが。薬師=薬師如来と思わせる仕掛けなんでしょうね、きっと。


新潮社 ★★★


namamugi.jpg吉村昭調で坦々と事実が述べられていく薩英戦争。広範な幕末だけどテーマが絞られているので、けっこう面白い。たとえば坂本龍馬なんてのは、あくまで添え物。中岡慎太郎を手伝って薩長の仲立ちをした、というようなマイナーな雰囲気で出て来るだけで、それはそれで、いい。

そういえば大仏さんの「天皇の世紀」でも、龍馬は添え物、判じ物で、「土佐の浪人・坂本良馬やらが大兵を従えて襲って来るらしい」という江戸側の視点からのみ叙述されていて新鮮だった。

それはともかく。吉村昭の歴史ものも少し飽きてきた。事実の羅列という方法論は説得力があっていいんだけど、すぐ「○○はそれを知って一層感激した」とか 「努力を惜しむまいと誓った」とか、綺麗すぎるきらいがある。二心ある人物とか、イヤな男とかは表面に出て来ない。ま、誰が二心男であったかなんて、通俗歴史小説でしか知りようがないんだけど。

表現が難しいなー。登場人物がみんなスッキリしている。単純。それがいいともいえるし、薄く感じるともいえるし。

今回始めて知ったのは、自船を英軍に乗っ取られた五代友厚と松木弘安が責任を恐れて、敵の英軍にかくまってもらったということ。ようするに遁走したのね。その後も関東であちこち逃げ回っていたらしい。薩摩藩は責任を追求する雰囲気じゃないよと知らされても信用せず、けっこう長期にわたって逃げていた。もちろん著者は事実だけを書くだけで、二人の人格を批評したりは一切していない。


三笠書房 ★


power-his.jpg副題は「富と覇権の世界史」。竹中平蔵訳。

ポール・ケネディの「大国の興亡」のような内容を期待したんだけど、ちょっと違った。 実際のところはともかく、あまり切れ味が鋭くないと感じさせる書き手だった。決して客観的ではないわけじゃないけど、妙に小さいところにこだわっているような雰囲気。いろいろ知識はあるんだろうけど、でも偏っている印象。各国すべてを知りつくした歴史家なんているわけもないけど。

要するに、あまり面白くはありませんでした。退屈、というべきかな。魅力がない。データがいい加減とかさんざん批判はされていますが「大国の興亡」の方が5倍くらい読めました。


朝日文庫 ★★


paris-wada.jpgふと思いついて古い本を引っ張りだしてみた。和田俊というとニューステーションのコメンテーターとしての顔しか知らないのだが、もちろん本業(?)は朝日新聞の記者。新聞社でも偉いさんになっていたはずの人だが、パリ支局長をやっていた時期がある。

で、セーヌ左岸5区での暮らしや意見を書き綴ったエッセーを集めたのがこの本。朝日イブングニュースで連載したものらしい。

書かれていることはパリの魅力、パリの実情、欧州のいろいろ。ま、だいたい想像できるような内容ですが、でもあらためて読んでみて悪くはないです。古いタイプのパリどっぷり文化人ではなく、あくまで新聞人としてちょっと身を引いたようなところもある。身を引いてはいるけど、でもやっぱりパリは好き。私もパリは好きです。せめて1カ月くらいでもいい、左岸あたりで暮らしてみたいなー。


講談社文庫  ★★


鈴木力衛さんのダルタニアン物語、第3巻。ふと、この巻だけを再読。

20years.jpg三銃士は少年時代からの愛読書でした。三銃士に限らず、デュマの本は面白いですね。モンテクリスト(初読は黒岩涙香の岩窟王。これも超名作です)は少なくとも5~6回は通読しています。たぶん、10回くらいは読んだかもしれない。

ただ、少年時代に愛読した三銃士はダルタニアン物語では巻1と2。ミラディが死ぬまでの内容でした。アンヌドートリッシュの失われたダイヤモンドをめぐる陰謀と活劇ですね。これに比べると、続編の「二十年後」も家にあったものの、冒頭のマザランの部分が子供には馴染めなかった。なんとも暗く、魅力がない。面白くもない宰相だなーという印象で、ついに読みすすむことができなかった。

ですから「二十年後」を読んだのは数十年のブランクの後。たまたま子供がこれにハマって全巻そろえて買い揃えたので、借り出して読ませてもらいました。

少年の頃はまったく知らなかったマザランという人物についても今は多少の知識があります。フロンドの乱も、ま、多少は概念があります。全体にこの3巻の登場人物はみんな苦い味を抱えている。もう美しくはなくなったアンヌドートリッシュ。みんなに憎まれているマザラン。うだつの上がらないダルタニアン。決して幸せではないアラミス、ポルトス。騒乱のパリ。陰謀。暗い色調のストーリーです。


講談社文庫 ★★★


taiko.jpgこの本が、我が家の村上春樹の最初でした。もちろんノルウェーの森かなんかで売れている作家とは知ってしましたが、実際に読んだのはこれが初めて。

で、私が偶然買って好きになって、奥さんもこれにハマって、子供は完全にほれ込んで、けっこうな冊数のハルキ本を今では揃えています。ただ私の方は、これまで読んだ村上春樹の小説は3~4冊程度。悪くはないけど、ちょっと違和感があるような感じで、実は敬遠しています。

というわけで小説は敬遠ですが、この「遠い太鼓」はいい。ハルキとそのオクサンのイタリア、ギリシャ放浪記。放浪というと語弊があるかな。要するに数カ月のタームで家を借りて、亭主は本を書いたり翻訳したり朝食を作ったり走ったり。オクサンは本を読んだり、昼食を作ったり、一緒に買い出しに出かけたり、夕食を食べに出かけたり、ケンカしたり。

遠い太鼓の音が聞こえてくると、人は旅への衝動に駆られるということです。異邦での静かなニッポン人夫婦の坦々とした生活風景ですが、その基調には低音の太鼓の音がかすかにかすかに響いているんでしょうね。この絶えず聞こえる不吉な基調音のようなものが、たぶん村上春樹ワールドの魅力なんだと思います。


幻冬社 ★★


13.jpg古川日出男ってのは、2月に読んだ「アラビアの夜の種族"の著者ですね。これはちょっと説明不能の内容ではありますが、それなりによかった。

同じ著者なんで少し期待してましたが、この「13」は、うーん・・・なんと言うべきか・・・。オドロオドロシイ出だしも良かったし、前半もそれなりだったんですが、後がいけない。東京では神童、中学出てからはザイールに飛んで少年ケニャみたいに活躍してた「天才少年・橋本響一」クンが、傷ついた青年になってからは何故か冴えないハリウッドの映像技術者になってしまう。

壮大に広がった銀傘が、急にしぼんで破れカサになってしまった印象。天才ミュージシャンと異色女優と名監督と、そしてこの神童青年が収斂して何をするかというと、カミサマ映画を撮る。どうも面白そうな映画ではなさそうです。

そうそう、妙にカッコぶってますが「13」というのはジャングルで狂って死んだ米人兵士の認識番号です。


小学館 ★★★★


yamiichi.jpg医学を志す山田青年、昭和22~23年の日記です。やっぱり、いいですねー。クールで貧弱な体躯を持ち、しかも勤勉な学徒が世相を冷やかに眺めている。眺めてるだけではなく腹を減らし、飢えている。けっこうお怒りにもなっている。

よく勉強しています。ほぼ毎日、勉強・勉強・本を読む・勉強・お出かけ・勉強・勉強・試験・執筆・執筆・勉強・・・という感じ。

書いてる探偵小説もそれなりに評価されていたようで、ぼちぼち注文もある。貧弱ながらも乱歩を親分とする探偵小説文壇(同人クラブみたいなもんですな)にも出入りを許され、もちろんクソミソに書いてますが。この山田青年、誰も尊敬してない。ごく少数の本物の作家(もちろん海外)しか評価していない。

意気軒昂たるもんですな。私は、山田風太郎という人、好きです。


集英社 ★★★★


hotta.jpgけっこう楽しめました。

だいぶ作りの雰囲気は違うものの辻邦生の「背教者ユリアヌス」と共通するものがあるよな印象。どこが共通してるのかと問われると困るけど。

フランスを代表する大貴族というと、すぐ名前が出てくるのはモンモラシーとかこのラ・ロシュフーコーなどなど。フランソア六世・ド・ラ・ロシュフーコー公爵。箴言で有名らしい(当然、読んだことはない)が、前半生がこんなに活劇調の冒険家・陰謀家とは知らなかった。知らないことって、多いんですよね。

登場するのがリシュリュー、アンヌ・ドートリッシュ、シュヴルーズ公爵夫人、ロングヴィル公爵夫人、マザラン、ルイ十四世・・・こりゃ三銃士の世界です。ダルタニアン物語、また通して再読したくなった。

堀田善衛、確かゴヤ(スペイン・光と影)もそうでしたよね。この手のゴシック調のもの、文体が合ってるんでしょうか。機会があったら他のものも読んでみます。そうそう。「海鳴りの底から」もそうだったか。これはちょっと印象が薄かったけど。


中央公論社 ★★★


hasimoto-h.jpg双調は「そうじょう」と読むらしい。平家のはずなのに、なぜか第1巻の前半は玄宗皇帝と高官、宦官、安録山の話。ようするに「長恨歌」です。で、中頃からは蘇我蝦夷・入鹿、鎌足などのストーリー。あまりはっきりしないけど、清盛=奢りたかぶった末の転落・・という図式に異議を唱えているらしい。たしかに清盛が悪人というなら、摂関を独占し続けた藤原一族は何なんだ・・ということにはなる。

けっこう読みごたえもあって悪くはないんだけど、なんせ橋本治だから、だんだん彼の提示する情念に疲れてくる。しつこい油ものを次から次へと食べさせられているような感じ。

10巻とか11巻とかまで出ているようなので、ま、ゆっくり読むか。それしても最近はやたら平家が流行してるなー。やけにいろんな作家が平家を主題にして書いている。


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