「興亡三国志」 三好 徹

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★★★ 集英社

sangokushi03.jpg全5巻のうち1巻2巻は読んでいましたが、その後買うチャンスがなくて中断。最近、図書館の閉架にあることが判明して、残りの3~5巻を借り出しました。

書いてるのは三好徹なんで、ま、しっかりしています。また主役が劉備ではなく曹操というのもいいですね。

映画レッドクリフなんかも曹操を比較的(比較的!)まともに扱ってますが、でも娯楽大作の宿命で、どうしてもワルでスケベという扱い。なんですか、意馬心猿で呉の周瑜の奥さん(小喬)のお茶セレモニーに騙されるとか、どうも軽いです。そうそう、八卦の陣なんてのもあったな。

子供の頃から三国志演技の劉備ってのは偽善者ふうで好きになれませんでした。ついでに張飛もアホすぎて魅力がありませんでした。

三好三国志でも、劉備は優柔不断の偽善者です。張飛もアホです。で、関羽はカッコいいんですが、最後の最後ではヤキがまわる。ヤキがまわって独善になって、死んでしまいます。死んで祭られて関帝廟を世界中に残す

実質的な魏王朝を立ち上げた曹操も、後継者では失敗します。豆を煮るに豆殻をもって・・の「七歩詩」エピソードとか。なんか、苦労知らずの二代目、三代目なんで、数代も経ないで魏は消えてしまうらしいです。司馬氏の晋(西晋)がそれに続く。


「シェイクスピア・シークレット」 ジェニファー・リー・キャレル


shakespeare.jpg★ 角川書店

作者はまともなシェイクスピア学者らしく、さすがにシェイクスピアにまつわるウンチクはなかなか面白かったです。シェイクスピアとは誰だったのか、とんな候補者がいるのか、エリザベス朝時代の雰囲気とかエピソードとか、興味をそそられるものが多々。

でも小説としては酷い代物でした。無意味にヒロインが英国、スペイン、米国を飛び回り、人間ドラえもんみたいなスーパーエージェントが現れ、大金持ちのオバハンが神出鬼没。で、無意味にバタバタと人が死に、レイプされかかったり、洞窟の中で活劇があったり。

才能のない作家(アマチュアもどき)が適当に都合よくストーリーを作ったという感じ。最後のほうはスッ飛ばしで読みました。ひどい小説だった。