毎日新聞出版★★★★
猟犬に追われた兎。ふつうに逃げても追いつかれます。そこで弱くて賢い兎は薄氷の張った水の上に逃げる。薄い氷は兎の体重をささえるのが精いっぱい。後を追った重い猟犬はズブッと氷を割ってしまいます。やーい、ざまーみろ。
ま、そういういう内容の小説なんでしょうね。ただ、兎の知恵が成功するかどうか。それは最後までわからない。
貴志祐介はいろんなジャンルの話を書く人です。未来SFもの(新世界より)、モテ教師による学園大量殺人もの(悪の教典)、ちょっと悲しい少年の完全犯罪もの(青の炎)などなど。
で、今回は法廷ものということになるのかな。冤罪でっち上げ捜査との戦いです。暴力刑事の取調室のあたりなんか、けっこう迫真。読んでて半分くらいで成り行きの見当がついてくるものの、それでも最後は「!!」です。そうきたか。多少書きなぐりの印象もありますが(※)、基本的には達者な作家なので楽しめます。
一気に面白く読めたので、ここは大盤振る舞い。久しぶり★★★★。さすがにちょっと甘すぎるかな・・という感もありますが、ま、いいか。
※取り調べの可視化の部分とか、ちょっと変なところもあるみたいで、後半、書き急いだのかな。