2017年3月アーカイブ

★★★ 文藝春秋
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高島俊男といえば「お言葉ですが」のシリーズで知られる、非常に達者で明晰で面白くて困った人です。惜しむらく金を稼ぐ才能だけはない。たぶん。

ま、そんな高島センセが「ぼくの好きな文章家・・・」というんだから、読まないわけにはいきません。

10人とは新井白石、本居宣長、森鴎外、内藤湖南、夏目漱石、幸田露伴、津田左右吉、柳田國男、寺田寅彦、斎藤茂吉。いい顔ぶれです。

内藤湖南と津田左右吉に関してはほとんど知識がなかったので、ひたすらヘェー!という内容でした。もちろん新井白石、本居宣長もよくはは知らない。宣長は根幹の一点だけをのぞけばなかなか合理的で話の分かる人だったとか。白石は超天才で超自慢コキだったとか。

さしたるページ数もない新書なので、読み終えるのが惜しかったです。


★★★ 岩波文庫
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4冊を借り出して、そのうち2冊しか読めず。ようやく全12冊の半分。まだ先が長いし、このへんで一休みにします。そのうちまた気力もたまるでしょう。

岩波文庫で巻6の最後は第60話です。宮中の服喪があって屋敷の主だった連中がみんな不在になる。召使たちは鬼のいぬ間と大喜びで、手抜きのし放題かつ問題多発。そこでお嬢様やら食うにゃん 姑娘たちが大活躍する・・・というようなあたりです。

侍女というか、お嬢様近くに仕えている内女中、これがもう少し格下の召使たちからは「姑娘」と呼称されているんですね。クーニャン。ちょっと日本語にしにくい言葉です。ただしこうした召使、みんな元々は奴隷身分らしい。たいてい子どもの頃に金で買われて奉公している。

しかし大きなお屋敷勤めで、主人から信用されているような侍女になると、かなり権威がある。収入もあって、かなり派手に着飾っている。また「ばあや」と訳されている下働きの女中たちをこき使っている様がうかがえます。そんなふうに当時の社会風俗とか仕組みがわかるのもこの小説の楽しさですね。


3月初旬だし平日だし、とうぜんガラ空きだろうと思ったらさにあらず、税務署の建物を取り囲んで数十メートルの行列になっていた。いつもと様子が違う。ザッと1時間待ち。なぜだ?

どうも今年から始まったマイナンバーが問題みたいでした。マイナンバーカードのコピーが貼ってあるか。あるいは番号通知票のコピーと本人証明(これもコピー)がやはり貼ってあるか。そのへんの確認と照合に時間がかかるらしい。構内をプラプラしている爺さんガードマンがそう説明してくれました。行列案内や整理の方法が不親切なんで、怒って帰ってしまう人もいるんだよね・・・とか。

並んでいる人たち、当然のことながら中高年が多いですが、確かにみんなムッとしている。あるいは諦め顔。ずーっとブツブツ文句言ってる夫婦もいるし、後からやってきた爺さん連中、長い列を見るなり観念して引き返すのもいたり。こりゃ、あかん。

マイナンバー制度、ろくでもないことを考えたもんです。どう考えても情報漏洩しそう。きっと失敗する。

うーん、タバコをやめて1週間。禁断症状はさしてないし続けられると思うけど、つまらん。

味気ないなあ・・・と思う今日この頃です。喫茶店にでも行った折、ためしに一服してみたらどうなるんだろ。元の木阿弥になるんだろうか。はて。

★★★ 岩波書店
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興膳宏という人、中国文学者ですか。その世界では有名な人らしい。泰斗。こうぜんひろし。文章は達者で、ほのかな香気があります。

ま、そうした大先生の書いたエッセー集なんですね。主に荘子と杜甫の話

荘子という人、「蝴蝶の夢」とか「轍鮒の急」とか、馴染みの逸話も多々ありますが、著書の中で大胆に孔子をアホあつかいしているので有名らしい。もちろん中国では孔子を叩くのはタブー感覚で、時代によっては酷い目にもあう。したがって正面切って孔子を批判しているのはこの荘子くらいしかいないらしいです。

杜甫については、実はユーモア感覚のある詩人だったんだよォと強調しています。ちょっとバージョンは違うものの、人麻呂のような部分もあるのかな。出世もできず、いろいろ辛い境遇だったけど、晩年の数年だけは少し落ち着いて、奥さんや子どもとの生活も楽しんだらしい。

ま、特筆するような内容でもないし、タイトルは(岩波らしくなく)ちょっと品がないですが、読後感はまずまず。荘子とか杜甫ってのはこんな人だったんだ・・という入門書でしょう。


★★ 草思社
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副題は「人間という動物の進化と未来」。確かではないですが大昔に書いた「人間はどこまでチンパンジーか?」という本を、後になって足したり削ったり再編成したもののようです。どうりで。

ま、人類がどうやって進化したか、なぜ進化したか・・をいろんな角度から書いています。それぞれ、それなりには面白いですが、陳腐というか新事実がない。したがって感動がないです。

ジャレド・ダイアモンドでも、力が入っていないとこんなもんですよ・・という見本でしょうね。データにもけっこう勘違いやら思い込みがあるし。というより、この人「銃・病原菌・鉄」の他にまともな本があるんだろうか。ん、「文明崩壊」はまずまずだったかな。


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