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 ★★ 草思社

学生時代、一般教養(略してパン教)の理系単位として地学をとったことがあります。担当の助教授がやたら休講が多くて、おまけに面白いという評判だったので。はい。化石時代の話です。

  chikyuu46.jpg確かに休講だらけでした。おまけにこっちも適当に自主休講するので、講義に出席した記憶は1回しかない。実際には数日は行ったと思うのですが、あとは覚えてません。

助教授といっでも、髪を角刈りみたいに短くして真っ黒かつ精悍に日焼けして、おまけに長靴はいて教壇にのぼった。いつでも長靴はいてハンマーを腰にぶらさげて山の中を歩き回ってる人という噂でした。顔だけは知的な肉体労働者。なんせ地学のセンセですからね。

講義で聞いたのが古磁気の話です。すでにヴェーゲナーの大陸移動説はある程度知れ渡っていましたが、「南アメリカとアフリカの海岸をあわせるとピッタリ付く」という程度の少しキワモノ感覚で、プレートテクトニクスという言葉は普及していたかどうか。

で、その地学のセンセ、講義をサボっちゃ山の中へわけいってひたすら石を割っているらしい。割って調べると中の鉄分が、いわば小さな磁石のようになっている。見たことはないんですが、そうなんだそうです。

もちろん地球の磁極は移動します。しかしそれとは別にその石をふくんだ地層じたいが、どっちを向いていたか、どこで方向が変化したかも見当がつく。

なんか、西日本と東日本では磁気の方向が違うんだと言ってました。その分かれ目が、もちろん例のフォッサマグナ。要するに東日本は中央地溝帯を境にしてグググッと北にねじ曲げられたらしいです。

アホな文型学生にも面白い講義でした。

しかし今ではプレートテクトニクスどころか、プルームテクトニクスなんて言葉が主流なんですね。地球表面で表皮が移動するだけではなくて、もっと立体的にマントルの構造や噴出・沈降も含めて理屈がなりたっているらしい。

やれやれ。本の感想を書こうと思ってたのに、まったく違う話で行数を費やしてしまった。今回読んだのは「地球46億年全史」。脇道話や観光案内みたいな部分も多くて、けっこう読みやすい内容ではありましたが、それでも後半はだんだん飽きてきました。

たとえばグランドキャニオン。谷底におりるためにのったロバだかポニーだかの話はそれなりに味があるものの、でも基本的に著者の関心は道筋の地層や石ですからね。ナントカ層の下にカントカ層が続いて、その下にナントカ石の層があって・・・とえんえん。

それにしてもこの手の地層や構造の話、読むだけではなかなか理解できません。ナントカ構造体がひっくりかえって褶曲して反転してシーツ状になって・・・って、それ、三次元イメージ図をいれてほしい。バンゲアがゴンドワナでローラシアがどうたら・・も、なんとなく分かるようで、でもあいまい。その時、ニホンはどこにあったんだ? ん?

トシとると、この手の本を読むのが大変です。

 

★★★  毎日新聞社

春秋戦国もので疲れた口直しに近衛龍春の「毛利は残った」です。

mouri.jpg近衛龍春という人、ほとんど知識はありませんが、前に偶然「上杉三郎景虎」を読んだことがある。これが意外に面白かったです。あんまり一流という感じはしないものの、かといって三流でもない。そこそこ、読めます。

で、今回の「毛利は残った」。関ヶ原から死ぬまでの毛利輝元をちょっとコミックに書いたもので、きっとこんな人だったんだろうなあと共感。やはり一流の武将ではないが、かといって愚将と言い切るわけにもいかない。

ちょっといい気になって西軍の総大将にまつりあげられてしまい。かといって積極的に戦いに参加もせず、逡巡しているあいだに敗軍の責任者になってしまった。

歴史にIFはないですが、輝元が大軍をひきいて大坂城を出陣したら、関ヶ原の状況はガラリと変わっていたでしょう。少なくとも吉川広家は東軍めがけて南宮山を駆け下りた可能性があります。

輝元出陣にはもちろん秀頼もいっしょが理想的ですが、名代でもかまわない。千成瓢箪の旗印をかかげただけで、後世の錦の御旗みたいな劇的な効果があった気がします。

ま、それはそれ。結果的にはなーんにもしないで負けて防長2カ国に追いやられてしまった。悔いは残るでしょうが、そこからしぶとく踏ん張ったらしいです。

毛利に暗君なしという言葉があるそうですね。幕末の殿様(敬親)も「そうせい候」とか言われたそうで、これとて得難い資質です。この殿様がいなかったら高杉晋作なんかがあんなに勝手に動けるわけがない。

てなことで、ま、楽しく読み終えました。本は楽しくないといけないですね。

★★  文藝春秋

kanpishi.jpg筑摩世界文学体系の史記は、やはり挫折。それなりに拾い読みするには面白いのですが、字が細かくて疲れます。トシくってから読む本じゃないですね。

大昔の筑摩の全集、なんか3段組もあったような記憶ですが、そうだっただろうか。戦争と平和とか、たしか3巻くらいあって、受験あけの春休みに読みふけっても1週間はかかったような。読了して数日は頭がボーッとしていました。

で、懲りずに(うん、懲りないなあ)今度は「韓非子」。やはり安能本です。

論語やなんかに比べると韓非子は合理的で、ま、近代的マキャベリズム。人間に夢を抱かない。性悪でも性善でもなく、堯舜の世を理想化もしない。孔子の弟子たちから蛇蝎のように嫌われたのももっともです。

そう悪くはなかったですが、でも安能本ってのは、疲れます。疲れてばっかりですね。

唯一面白かったのは、孔子が何かで焦り狂ったとき、主君の前なのに階段を左右一段ずつ登ったということ。不作法のキワミらしいです。通常は一段ごとに足を揃えてから、またおもむろに一段上がる。

そりぁ、悠長な時代だったんですね。主君のすぐ後ろを(接近して)登ってもいけないらしいです。こうしたルール違反をすると、すぐ首チョンになるから古代中国は怖い。

 

 

virus.jpgまたぞろ、ウィルスメールが増えています。

波があるようですね。到来するときは1日に数十通、果てしなくやってくる。しばらくするとパッタリ止まって(飽きたのかな)、安心していると、また増えてきたりする。

通常のスパムメールやウィルスメールは「海外タイムスタンプ枠」とうくくりで「ジャンク様専用箱」に投入しています。つまり来ているか来ていないかも分からない。本当は直接ごみ箱に入れてもいいんですが、ごくたまに必要なメールが紛れていることもあるので、用心です。

あんまり溜まるとザックリ削除していますが、たまに気が向いて、削除する前にながめると文面が面白いです。みんな工夫しているなあ。

しかし「ウィルス検出通知」のほうは一応は善意でサーバから届く通知なわけで、ジャンク箱には振り分けられません。そのため、おのづと目に触れて、目障りだなあ・・ということになります。

それにしてもジャンク、うるさいです。

★★★ 講談社

sonshi.jpgふと思い出して海音寺潮五郎の「孫子」を再読。再読というより、再々々読くらいでしょうね。適当に細かい部分は忘れているので、けっこう読めます。海音寺ものってのは、どれを読んでも一種の香りのようなものがある。

この小説の孫子はあまり偉そうではないです。英雄豪傑ではない。田舎ディレッタントであり、恐妻家であり兵法マニアであり、でもそれゆえプライドもある。欲に目をくらまされていないので、危険になる前に身をひいて、怖い奥さんがいなくなると若い妾を可愛がって、年老いてからできた孫を溺愛して、どうしようもない幸せな老後を送る。立派な人生です。

何代かあとに生まれたもう一人の孫子も、ま、若いうちはいろいろありますが老後は権力から身をひいて、若い奴隷女を可愛がって小市民としての生活をまっとうする。それでいいじゃないか!というお話。

読み終えてから安能務の「春秋戦国志」(文庫で3巻)なんてのもあったことを思い出し、これも引っ張りだして通読。だいたい同じ時代のお話なので、微妙にダブっていて面白かったです。海音寺はもちろん飽きさせず読ませてくれるし、安能本はちょっと臭味がナンですが、でもそれなりに悪くはない。

ano_sengoku.jpg安能本の「臭味」をどう説明しますかね。大昔に読んだ「封神演義」なんかが典型ですが、とにかくく巻頭から巻末まで八丁味噌かニンニク醤油か、それともカレー味か、とにかく均質の強い味に染められているのでので、かなり飽きるけれども一応は食べきれる。ま、なんとか春秋戦国の3巻も読み切りました。

で、またまた興味が伸びて(血迷ってというべきか)、司馬遷の「史記」なんてのを借り出してしまった。昔なつかしい筑摩世界文学体系です。それにしても活字が小さくてギッシリ。こんなのを目の良い少年時代とはいえ、よくまあ読んだものです。

通して読もうなどとは考えず、適当に拾い読みでしょうね。

そうそう。図書館の棚を見たら海音寺さんの西郷隆盛・新装版(全9巻かな)が並んでいました。これ、なんか完全に通読した記憶がないんです。読みたいけど、書棚にはなぜか第1巻がない。2~3巻があって4巻~6巻がなくて・・・と虫食い状態。こういう借り方をする人、よくわかりません。全巻を一気に借りるとか、あるいは1~4巻までまとめて借り出すとかなら理解できるんですが。

ま、人それぞれ。いろんな読み方はあると思うのですが、虫食い、とくに第1巻を借り出されると、手が付けられないんですよね。

 

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