2013年2月アーカイブ

ps_cs6.jpg「指定校学生向けライセンス版」のために受講申込みをしたのが月曜日。当日、振込みました。カードよりも振込みのほうが安いです。

で、火曜に書類発送手続きをしたという通知とID、PWのメール。製品は「通常、6~11日程度」ということでしたが、実際に届いたのは翌週の水曜、つまり今日でした。

箱はかなり小さいです。比較のために鉛筆を置いて撮影してみました。中身はほとんど空っぽ状態で、Win用、Mac用のDVDが1枚ずつ。およプロダクトID番号を記した紙です。

早速アドビのサイトでシリアル番号を申請。「在学証明」の撮影画像を添付します。3日くらいでシリアル番号通知のメールが来るそうです。なんだかんだ、けっこう時間がかかりますね

とりあえず試用の形で64bit版をインストールしてみましたが、かなり様子が違っていて戸惑います。しばらく試行錯誤してみる予定。私の環境では特にサクサクという雰囲気でもないですが、重いというほどでもない。ま、我慢できる範囲でしょう。トータル8Gのメモリのうち4Gを確保されたようです。

今年の大河ドラマは久々にまともですね。安心して見ていられます。

えーと、去年は「平清盛」でしたか。けっこう期待していたんですが、何を言いたいのか不明でした。汚いのがひたすら「オレはだれなんだぁ・・」と喚き続けてうんざり。導入の数回ならともかく、それがけっこう延々と続きましたね。

そもそも「武士の世」ってのが何なのか伝わっていません。映像もひたすらスケール感がなくて、いつもせまい屋敷でウジウジやってる。なぜか猫の額みたいな庭で必ずニワトリが散歩してたり、北条時正オジサンがひょこひょこ大根もって慰問にきたり。

その前は「」か。あれはまあ、なんというか論外の論外で、早々に逃げました。なに考えてあんなドラマにしたんだろ。アホか。

で、更にその前は「龍馬伝」。これもなあ。主人公の行動原理がようわからんドラマでした。福山雅治がひたすら熱く叫びながら走り回っていた印象。せっかく蒼井優を使っていながら訳のわからないキリシタン密偵にしたり、なによりお龍さんに魅力がなかった。福山ヨイショ!も空振りだったし。

更に更に前の「天地人」。これは何というか、「江」といい勝負の最悪レベルでした。うるさかったですね。ギ ギ ギギ。「上杉の義」って何だったんだろ。無意味にカネツグでしゃばり続けで、何があっても何をしなくても兼続マンセー。説得力ゼロで、脚本家の頭の構造が疑われる。


というわけで、今年は珍しくホッとしています。残念なことに視聴率はそんなに高くないようですが、今までの悪業の数々が祟ってるんでしょう。身から出た錆。仕方ないです。今年レベルの大河をしばらく継続できれば、それなりにファンは戻ってくれると思います。

で、今週の「八重」は「ままならぬ思い」と題し、不逞浪人、孝明天皇の宸翰下賜、お馬揃え、新撰組登場、長州藩の攘夷砲撃などなど。激しく揺れ動いてややこしい時代です。短いシーンの積み重ねだけでこの時代の急激な流れを理解させるのは大変でしょうが、でもけっこう上手にやっていると思います。

なによりも田舎暮らしの八重(たぶんまだ15~16歳)が普通の娘っこというのがいいです。「あんつぁま、皆が平和に暮らせる世の中にしてくらんせ」などど生意気は言わない。

また会津の武士たちの所作も清々しい。痩せ肩の綾野剛の容保はきちんと背筋を伸ばしているし、子供っぽい小姓が背後に控えたりもするし、家来ははるか下座から話をする。宸翰が届けば当然のことながら、殿様以下全員があたふた下がって平伏。

会津時代の西島秀俊あんつぁまがなにかというと疾走するのはちょっとナンですが、ま、この程度は許容範囲。走るにしても腕なんか振らず、一応ちゃんと刀が暴れないように抑えて走っています。

今年は珍しく幕府・会津の側から見た幕末ストーリーです。必然的に薩長側は悪役・テロリストになる。従来ドラマに慣れてるファンには不満もあるでしょうが、ま、諦めてもらいましょう。こういう視点もたまには必要です。楽しみにしています。

新撰組もいまのところ怪しげな食い詰め浪士の扱いですね。実際、そうだったんだけど。ちょろっと顔を出した及川光博の桂小五郎も緊張感ピリピリで、よかったです。いかにも逃げが上手そう。三条実美の篠井英介もいい味出している。顔の異様にでかい真木和泉の存在感には抱腹絶倒。

※ 追記
雨中の天覧馬揃えの件、寡聞にして知りませんでした。無理やり夕方から開始する羽目になって、最終的には中断。その後いろ いろ過程はあったようですが、二回目の晴天時の演習では大砲も打ったらしい。御所のすぐそばで空砲とはいえ、そりゃ長州系公家に対する脅しの効果は抜群 だったとおもいます。


そうそう。実は来年の「軍師官兵衛」が恐怖。主演は岡田准一。うーん、キャラクタが甘いマスクの善意の人にならないか心配です。NHKは「人を裏切らない正直者」というスタンスでドラマを作るそうですが、カネツグの時も「愛の人」とか意味不明なことを言ってましたね。官兵衛、そのへんのバランスが実に微妙で、かなり心配です。




★★★ 技術評論社

mootojirai.jpg小田嶋隆の比較的新しいエッセイ集です。日経ビジネスオンラインに連載したものらしい。

毎週連載してるんなら見てみるか、と日経オンラインに行ってみました。なるほど。それぞれ最初の1ページだけはフリー。2ページ以降は会員にならないとダメみたいです。

小田嶋隆のものは好きなので、この際無料会員になってもいいかな・・・と登録画面に進むと、住所・氏名などしっかり書きこまないといけない。住所ですか。住所を記入したら、当然のことながらまた日経関連のカタログが届き始める。読まずに捨てればいいんでしょうが、うーん、けっこう負担です。ゴミも増える。諦めました。

で、本の内容は、ま、いつものオダジマ節で、原発問題やらハシモトやらAKB総選挙やら、森羅万象をいじくってます。若い頃にくらべるとかなり常識的(軟化)になってるけど、それでもまだ切れ味は健在だし、かなり頑張っている。

オンラインとはいえ日経に連載持てて、本も多少は売れてるようなんで、よかったよかった。ずーっと、なんとなく応援している人です。版元が日経ではなく、技術評論社というのが、ちょっと悲しいですが。

早川書房

yogen2013.jpgギリシャとイランのテロリスト集団がアメリカ攻撃をたくらむというストーリー(たぶん)。

しばらく読んで、挫折しました。心を病んでいる米国人女性が陰謀のカギとなる暗号(預言)を記憶しているらしいのですが、登場人物たちの動機や行動がどうも納得できない。没入することができず諦めました。小説それ自体がいけないのか、翻訳が悪いのかは不明。

考えてみるとダニエル・キイス、最初の「アルジャーノンに花束を」以外、貫徹した本がないような気がします。「○○人のビリー・ミリガン」というのがありましたね。あれも途中挫折したような。相性が悪いみたいです。残念。
かなり迷いましたが、最新のPhotoshopを購入することにしました。CS6です。

いままでのは縄文時代・化石時代のバージョンです。古くても基本的な部分に文句ないんですが、ただ、あちこちに出回っている便利なブラシとかパターンとかがほとんど使えない。ちょっと凝ったことをしようとすると、すぐ壁にぶちあたります。参考書を買って読んでみても、みーんな「CS X以上でサポート」とか。ようするに洒落たことをしようとしても無理。それにWin7と合わないんでしょうかね、ときおりパタッと落ちてしまう。これは困ります。

ということで、清水の舞台から飛び下りました。8万円とか9万円なんて大金は無理ですが、かといって低価格のElementsは、どうも機能が足りない感じがある。心は千々に乱れましたが「Elementsは文字間隔を広げる機能がない」という記事をどこかで読んで心が決まりました。多分そうだろうなあ。これに限らず、いろいろ寸足らずな部分が多いんだろうな、安物買いは後悔する、きっと。やっぱ画像編集なら妥協しないで定番のPhotoshop。

ただし価格では妥協というか工夫。いろいろ調べた末に、通信講座を受講する形でソフトを購入できる方法があることを発見しました。なるほどねえ。違法ではありません。グレーゾーンというわけでもないです。アドビにとってもそんなに損な話でもないんでしょう、たぶん。

年齢にかかわらず実際に受講する意思をもって入学し、その教材として「指定校学生向けライセンス版」を買う。もちろん入学したあとで「気持ちがくじけて通信講座を挫折」するのは個人の勝手です。実際に受講し続けてもいいわけです。

ps_win.jpgそうはいっても怖いので、アドビ公認のプラチナパートナーで、なおかつ実店舗というか教室を展開しているスクールを選びました。宣伝するつもりはないので、購入先は書きませんが、ググればたくさん出てきます。Photoshop CS6 3万3000円。入金するとすぐにID、PWのメールがきました。製品送付は1週間くらいかかるそうです。

当方の環境は64bit、メモリ8G、SSD、グラボは昨年レベルのRadeon HD 6850。快適とはいえなくても、まずまず動くだろうと思っています。これでまた10年くらいは使い続ける予定。


終日、雪がちらついていました。

人が少ないだろうと見込み、税務署へいって確定申告を提出。はい。がらすきでした。読みは正解。

たまの外出なので、その足でデパートに入っているトンカツ屋へ。いい歳こいても、外に出るとなんとなく肉が食べたくなるんです。

小さなテーブルの横でかさばるコートをもごもご畳んでいるとすぐ注文取りに来たので、ヒレの定食をオーダー。すると「80ですか、100ですか、120ですか・・」とか畳みかけてくる。深く考えるひまがなく、反射的にいちばんボリュームのない80を頼んでしまった。足りるかな。

出てきた皿を見たら、かなり貧相でした。失敗した。でもキャベツをお代わりしたらけっこう満腹になったから、こんなんで十分だったかも。メニューを見ていないのでどうかな?と思いましたが、レシートを見たら1200円でした。

平日の昼前だったせいか、シニア層がめだちます。元気なオバサン女子会がいたり、夫婦連れがいたり。となりのオヤジは日本酒を頼んで、すぐ飲み干してお代わりを注文していました。少し離れた夫婦連れのジイサンも透明なフラスコのようなものを置いていたから、あれも酒かな。

昼間のトンカツ屋とか蕎麦屋とか、ゆっくり飲んでる人が時々いますね。そういう光景を見ると、少し気をひかれます。いいなと思います。ただ、やったことはありません。日頃晩酌は欠かしませんが、昼間から飲むのは、なんとなく「いけないこと」という固定観念がある。うしろめたい感覚。酒を飲むのはやはりお天道さまがいなくなってから。

できれば風呂をあびて、パジャマに着替えて、それから飲む。飲んで、テレビをボケーっと眺めて、少し本を読んで寝る。このところ酒量、めっきり減りました。自然に減ってくるもんなんですね。

★★★ 集英社文庫  

boleyn3.jpg「ブーリン家の姉妹」シリーズの3です。でもなぜ「ブーリン家の姉妹」なんですかね。そのほうが売りやすいと思ったんだろうか。

エリザベスの即位から数年間。視点人物は野心に燃える色男ロバート・ダドリー、その妻であるエイミー・ロブサート、国務長官(かな)のウィリアム・セシルの3人です。

ロバートてのは、ノーサンバーランド公爵ジョン・ダドリーの5男です。ジョン・ダドリーはヘンリー8世の子供であるエドワード6世が死ぬと(殺したという説もある)、自分の息子と結婚しているジェーン・グレイ()を引っ張りだして、次の女王にしてしまった人。でも、あっというまに失敗。謀叛人として首を切られてしまいます。ダドリー家ってのは代々、謀反人を輩出する家系みたいですね。

とうぜんロバート・ダドリーもロンドン塔にぶちこまれたんですが、、ま、運良く釈放してもらって、エリザベスの時代がくると一気にのし上がります。爵位とか領地はほとんど失ってましたが、でも女王の寵愛をうけるようになってからは、勢力を回復。でも単なる愛人じゃ不満です。なんとかして正式にエリザベスと結婚しようとたくらんだようです。

当然のことながらウィリアム・セシルは女王をスペインやらオーストラリアやらスコットランドやらの有力な王族と結婚させようとします。女王の結婚というのは、国家にとって完全な政治マターですよね。どこの国と結びつくかでイングランドの未来が決まってしまう。

でもエリザベスはダドリーのほうが可愛い。でも表立って結婚話を拒否もできないので、あっちに媚びたりこっちに愛想ふりまいたり、でもやっぱりダドリーがいいわと思ったり。セシルはイライラします。なんせダドリー、女や遊びごとや馬は得意だけど、自分が思うほど賢くはない。政治センスもないし、軍事的な能力もない。でも油断しているとこっちの足元も危なくなる。

そして田舎にひっこんでいる妻のエイミー・ロブサート。ダドリーとは価値観がまったく違う女性。自分が邪魔者あつかいされてることが気がついて、惨めになる。嫉妬に狂う。狂うもんだからダドリーはいっそう離れていく。おまけにエイミーはカトリックが捨てられません。

ということで、3人の希望や思惑が衝突して最終章。エイミーが殺され、ダドリーは野望を阻止され、エリザベスは結婚をあきらめて国家を選択、「バージンクィーン」として生きることを選択する。ま、そんなような内容です。けっこう面白かったです。

たしか夏目漱石の「倫敦塔」に、このジェーンの亡霊が出てきたような。亡霊というより「幻影」か。
★★★ 学研パブリッシング

prometheus.jpg読んだら煮えくり返るだろうな、ムカムカするだろうなと予想しながら買いました。はい。予想通り、あらためて腹が煮えます。

何を書いたらいいのか。何を書いても虚しくなる。官邸、官僚、県、保安院、東電、それぞれ登場の人物たちの行動は、すべて「だろうな」と理解可能です。みんなそれぞれ守るべきものがあり、完全な嘘はつきたくないが、だからといって責任をとるのは困る。上司に逆らうのは危険だし、面とむかって住民から非難されるのも避けたい。そうやって少しずつ「不作為」をしたり、ちょっと「誤魔化し」や「保身行動」をする。そうした個々の行動の総集が、今までの大きな流れでしょう。

そうそう。一つだけ。

事故後の官邸の対応は、かなり場当たり的でした。パニックを恐れて、細かく嘘をつき続けた。爆発後の枝野官房長官、例によって口は滑らかでしたが、よく見るとフルマラソンしたみたいに汗をだらだら流していた。「あ、嘘をついてる。わりあい正直な人なんだ」と思った記憶があります。

ただその後、反原発の姿勢を明確にしてからでしょうか、いきなり「すべては菅が悪い!」の大合唱になってしまった。そもそもあんまり人徳を感じさせる人ではないし、特に福島の避難場所で住民に糾問されたときのオロオロ対応は、非常に失望。あの場面で開き直るような資質をもっていない人だった。自民党代議士のような図太さがない。良くも悪しくも半分アマチュアふう感覚の政治家なんだなあ。

でもそれとは別に、突然に沸き起こった菅下ろしは不自然でした。「すべて菅が悪い」「民主党が悪い」と決めつければ筋道が非常に単純になって、そりゃ気分はスッキリします。でも、そういう問題なの?

後世に残る菅直人の功績は、東電に乗り込んで撤退を拒否したことだと思います。総理が民間企業に乗り込んで大声あげれば、そりゃ問題多々。あちこちから非難されるのは当然かもしれません。でも「調整的、常識的」に判断して撤退を許していたらどうなっていたか。

そして潮目に逆らう愚行だったのかもしれませんが、浜岡原発の停止。すぐひっくり返される可能性はあるものの、一つの「事実」として残りました。

少なくとも、あの時の首相が菅直人でよかった。ニッポンにとって望外な幸せだったのかもしれない。そう思っています。


それにしても、なぜ朝日新聞出版ではなく学研からの刊行なんでしょうね。「教師や生徒には学研が馴染みがあって・・」とかなんとか、どこかに弁解してありましたが、どうも信じられません。

子供とテレビを見ていて、ふと「イギリス人は~」という唄を思い出しました。

イギリス人は利口だから 水や火などを使う
ロシア人は歌をうたい 自らを慰める


というやつです。たまたま画面にロシア人が登場してたのかな。

「ずいぶん自虐的な歌」というのが子供の論評でした。確かに。

たしかこの後は「ロシアの若者がんばれ」みたいな歌詞が続いた気がします。うーん。どっちにしても意味のあるようなないような。半世紀近く前、けっこう流行したような記憶があります。

記憶ニューロンの働きって不思議ですね。なんで数十年ぶりにこんな歌詞が浮かび上がったのか。

※この程度でまさかJASRCにひっかかったりしないだろうな。問題あるようならすぐ削除しますんで、はい。

★★★ 集英社文庫

boleyn.jpg上下巻。まったく期待しないで読みました。ところが意外や意外、かなりの良著・・・・でした。てっきりトム・マグレガーの「エリザベス」みたいなハーレクインもんだろうと予想していたんですけどね。

視点はブーリン姉妹の妹、メアリです。ブーリン家ってのはたいした家柄でもない新興貴族ですが、母親が名にし負うハワード家。したがって叔父さんがトマス・ハワード、つまりノーフォーク公爵になる。大貴族です。

当時のノーフォーク公爵というのがどの程度の勢力をもっていたのか、実はそのへんがよくわかりません。Wikiによるとトマス・ハワードの祖父は薔薇戦争の最終戦・ボズワースの戦いでリチャード三世と共に討ち死にした。プランタジネット側だったんですね。なるほど。

しかし息子はこのボズワースの戦いの勝者・チューダーのヘンリー七世に仕えて、うまいこと王の義妹と結婚。死別のあとはバッキンガム公の娘と再婚してトマスをもうける。

横道ですが、さらにバッキンガム公ってのは何だ?と調べると、ま、これも当時の大貴族。ただし三銃士に出てくるバッキンガムとは関係ない血筋みたいです。ややこしい。

ようするに当時の大貴族の姪だったわけですね。大貴族連中は機会があったら実権を握ろうとみんな画策してたようで、ブーリン家の二人の娘が美人なのを幸い、なんとかヘンリー八世に近づけようとする。で、最初は妹のメアリが寝室にはべります。前に読んだ「ウルフ・ホール」に出てくるメアリも蠱惑的な美人に描かれていました。もちろんフランス宮廷仕込みのコケティシュな女です。

このメアリとアン、どっちもどっちのよく似た女なんですが、妹は気が利かない。よくいえばちょっと地味でおとなしい。姉は才気煥発で打算に長けている。二人は愛し合っているけど憎み合っている。生まれたときからライバル同士。難しい関係です。

この難しい関係がなかなか面白かったですね。妹のほうは怖い叔父さんやら父母に命じられて、ちょっとした地位やら所領やらを稼げれば十分という感覚ですが、姉はなんとか女王になろうと画策している。野望に身を焼き、それを実現させ、そして破滅していくアン。見捨てたいけど見捨てることもできず、いらつき、でも最後は地味な亭主と子供、静かな生活を選択するメアリ。

かなり史実に忠実な描き方のようです。地味な郷士と結婚したメアリですが、その子供たちはその後の歴史にけっこう重要な役目を果たすようになる。Wikiによるとウィンストン・チャーチルとかダイアナ妃、チャールズ・ダーウィンなどなど、すべてメアリの系譜だそうです。


「愛憎の王冠」 上下巻。aizono.jpg
★ 集英社文庫

続編です。時代はブラッディ・メアリの治世、エリザベス一世の若い時代。

ユダヤ人の女道化師の視点で展開という趣向ですが、あんまり成功した感じはしません。もっとストレートに描いてほしかった。ここに登場する若きエリザベスはかなり狡猾で魅力的です。色男ロバード・ダドリー(レスター伯)が、けっこう格好よく活躍します。

そうそう。エリザベスものなら「エリザベス 華麗なる孤独」という本もありました。こっちのエリザベスも煮え切らない狡猾な女性です。煮え切らなくて男の趣味も悪いけど、なぜか英国は大国への筋道をつけていく。

★★★ ハヤカワ文庫
theterror.jpg
ダン・シモンズの北極探検ものなので、楽しめるかなと借り出し。探検とはヴィクトリア朝初期のフランクリン探検隊です。大西洋側からカナダ北部を抜けて太平洋へ達する最短距離の「北西航路」を探すべく出発。氷の多島海で全員が消息不明になってしまった。

この北西航路通過を達成したのは南極探検でも有名なアムンゼン。フランクリン探検隊の半世紀以上後です。しかもアムンゼンの探検隊は乗員6人で船も50トン弱だったらしい。吃水もあさくて小回りがきくし、エスキモー式の防寒具も採用。このときに現地人から学んだ犬ぞりが後の南極探検にも生きたようです(悲劇のスコット探検隊は犬ではなく馬を主力に使った) 。

それにくらべると北西航路のフランクリン探検隊は59歳のロートル隊長をいただき、130人余りの乗組員が準備万端ととのえた2隻の堂々たる軍艦に搭乗。当時としては最新装備で豪華な缶詰やらレモンジュースやら満載してたんですが、役に立たなかった。

後日の検証では、持っていった膨大な量の缶詰(お役所感覚の海軍省が欲かいて、超安い業者から購入した)が実は粗悪品で腐っていたり、納入時期の制限もあって缶の封入がいいかげんで鉛中毒になったり、あるいは石炭の積載量計算が甘かったり。防寒具も重いばかりで実際的ではなかったようです。

というわけで、フランクリン探検隊は誰も生き残っていません。誰も生き残っていないんですから、ダン・シモンズが何を書いてもいいわけですわな。どんなことを書いても「嘘だあ」と非難される心配はない。

小説は上下巻、ひたすら極寒の中のお話です。いまみたいな寒い時期に読むと、北極圏の冬の厳しい冷たさと暗さがきわだって伝わってきます。で、船はあっさり氷にとじこめられてしまいます。マストにも船体にもどんどん雪がつもり、氷がかさなる。船員は着膨れてモゴモゴ動きながら作業し、腐りかけたビスケットと缶詰を食べ、凍傷になる。

しかもここにエスキモー神話が絡み、何やら超自然的なモノが襲ってくる。怖~いです。ひたすら怖くて寒くて、バッタバッタと人が死ぬお話でした。



z-pride34.jpg注文してあった蛍光管が届いたと電話が入り、駅前の大型電機店へ。TOSHIBA ネオスリムZプライド 高周波点灯専用形蛍光ランプ 34W形 昼光色。 1本売りで1600円強。セットに比べると少し割高。

ほんの少し危惧しながら取り付けたが、無事に点灯。やはり取付器具の問題ではなく、蛍光管の故障だったらしい。なぜ1年半でダメになったかは不明。3本いっしょに点灯させると、内側の古い2本は暗くくすんでいて差がめだつ。ま、とりあえず解決。

★★★ 新潮文庫

rat.jpgベッドサイドの本棚にあったので、なんとなく読んでみました。たぶん3回目くらいの再読。上巻を探しましたが発見できず、仕方なくいきなり下巻からです。

内容はスターリングラードの攻防戦におけるドイツとソ連のスナイパー同士の決闘です。決闘といっても何百メートルも離れているので、なんといいますか、非常に地味ですね。はるか遠くの塹壕から出ているヘルメットの先端かなんかを発見する。狙う。引き金を引く。敵陣からはギャッともヒェーとも声は聞こえてきません。

もしチラッと見えていたヘルメットが吹っ飛べば、たぶん相手は死んだはず。あるいは「あれは当たっている!」と狙撃手が自信を持てれば、たぶん成功。戦果帳を出してメモを付ける。

地味ですね。

で、上巻ではいろいろあった記憶がありますが、要するにウラルあたりの田舎猟師(当然ながら平べったいアジア系)が、狙撃手として頭角をあらわす。あんまり銘酒名手なので、現場の狙撃兵速成スクールの教官になる。教官になっても、あいかわらず現場で戦っています。

通常、狙撃手というのは地味な存在です。ひっそり行動するのが普通で、顔が売れるなんてことはない。でもこのスナイパー=ザイツェフ(兎)の場合は、政治将校がプロパガンダのために新聞に掲載してしまって、育ちや考え方、狙撃パターンなどなど大公開。これが敵に知られるってのはかなり危険なことです。

そこで有名狙撃手ザイツェフを殺すために派遣されたのがドイツの誇る狙撃手学校校長、親衛隊大佐ハインツ・トルヴァルト。いい気になってるソ連軍の有名スナイパーを殺して意気消沈させようという魂胆ですね。

このトルヴァルト大佐。なかなかいい味出してるキャラです。まったくタフではなく軟弱色白、上品でフニャフニャの臆病者。もちろん育ちはよくて、スポーツハンティングで腕を磨いた人です。はるか遠くの絶対安全な場所から、ン百メートル向こうの敵を正確に殺す。オリンピックかなんかに出たらまずメダル確実という名手ですか。

で、エリート大佐と田舎猟師が、陰惨な「鼠たちの戦争」のスターリングラードで知恵と狡猾さと腕前を比べ合う・・というのがメインストーリー。最後は直接対決するんですが、その結末は、ま、お楽しみ。ただ読み直してみて意外だったのは「こんな経緯で結末がついたんだっけ?」というあっけなさです。

ザイツェフは実在の人物だそうです。しかしトルヴァルト大佐のほうはどうも怪しい。ソ連側が宣伝のためにでっちあげた「悪者ライバル」だったかもしれません。

ちなみにフィンランドには「白い死神」といわれた超人的な狙撃手がいたそうです。確認戦果だけで505名。ひぇー。おまけにこの兵士はスコープを使わないで照星と照門で狙撃をするのが常だった。やはり猟師だったそうです。ケワタガモ(どんなカモじゃ)を撃ってたらしい。知らんかった。


★★ 平凡社

chuugokunorekishi5.jpg第12巻と13巻です。かなり飽きてますが、ここでシリーズは読み止めの予定なので、いちおう忘備録。ん、ほんとうは「備忘録」かな。

清が誕生してしばらくは明の残党が各地で活動します。有名なのは鄭芝龍ですね。でも要するに鄭芝龍ってのは、海賊というか海閥というか、さんざん騒いだ後で時勢を見て清に降伏します。それに納得しないで台湾に割拠したのが息子の鄭成功。台湾からオランダ人を追い出して鄭氏政権を樹立。いまでも中華民国では評価されてる人のようです。

清朝成立の後もしばらくの間、中国南部には怪しげな明の亡命政権のようなものが乱立したらしいです。大同一致すればいいのに例のパターンでそれぞれが「オレのほうが正統だぁ!」とアホみたいに争っていたから、あまり長続きしないで、清軍に滅ぼされてしまう。

このあたり、上手にやれば北方系の政権(清)、漢系の南方政権(明あるいは南明)という区分けができたかもしれない。惜しかった。いまの中国って、ちょっと巨大版図すぎるような気がしてならないんです。まるで旧ソ連みたいな感じ。チベットからウィグルからモンゴルから、無理やり抱合しているから問題が生じている。そうですね、南北朝の境界は長江あたりがいいでしょうか。漢字圏という点では共通で、文化や言語は違う二つの大国。

ま、余計なお世話ですか。人ごとだから勝手なこと言ってますが、民族と国境、なにが適正で合理的なのかなんて簡単に決められるはずがない。

読みすすむと清末はほんとうにゴタゴタ続きです。満州八旗は江戸字末期の馬にも乗れない旗本みたいなもんで完全弱体化してるし、なんといっても支配層の満州人口が少ない。阿片戦争あたりからは、ひたすら腹の立つような事態ばっかり。ほんとうに悲惨です。完全にコケあついかいで、ただただ食い物にされている。こうしたニュースを漏れ聞いた幕末の若者たちが亡国の危機感を抱いたのも当然でしょうね。

で、危機感を抱いた少数の若者たちが中心となって明治維新をなしとげ、自信を失った大人たちは渋々それに協力した。そして列強のやり方を強引かつ不器用に模倣して、なんとか尻馬に乗る。一流国の仲間になろうとあがき続けた。

農民はあいかわらず(実際には前よりもっと)苛めら、絞りとられ、徴兵され、でも従った。不思議な現象です。時代の「空気」ですかね。明治初期、失業した武士階級の反乱とか農民一揆はありましたが、それが共感を得て大規模クーデタにまで発展することがなかったんですから。

水戸のご老公が可愛がった朱舜水という文化人がいますが、当時あった亡命政権の皇帝にも謁見を許されて、それを誇りにしていた。そして鄭成功に「明復興を助けてくれ」と日本へ派遣された経緯らしい。ま、鎖国政策とってた幕府が行動を起こす可能性はゼロなんで、交渉しているうちに明の南方政権も滅亡して帰るところがなくなった。そういう事情らしいです。

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