2015年4月アーカイブ

★★ 朝日新聞社
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定年で退職した新聞記者が世界をバックパック旅。韓国、中国から始まってネパールやらインドやらまではともかく、アフガニスタン、イラン、イラク、イスラエル・・・・となるとかなりハードだ。命懸け。

行った国々とかネタは悪くないのだが、正直、あまり楽しくなかった。何故なんでしょうかね。どうも「ブンヤ」の臭いがプンプンするからかな。ときどき「こりゃスクープだ!」とか興奮されると、引いてしまう。お前さん、旅行者なのかジャーナリストなのか。とくに後半は「そんなに燃えるなよ」と言いたくなります。

折に触れてなんやかんや感動したり、ヒューマニズムに目覚めたり。でも、共感できない。いかにも二流ブンヤさんの文章で、生意気言うようですが、浅い。

それにしても、世界中、どこにでも日本人のバックパッカーはたくさんいるんですね。その点だけは感心しました。


★★★ 文藝春秋
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陳舜臣とか開高健とか金達寿とか、とにかく偉い人、賢い人たちとの対談集です。みんな凄い知識量だなあ。もちろん広いだけでなく、はてしなく深い。内容が深遠すぎでモウロク頭には理解できないこともしばし。

だいたい1970年代の終わりから80年代頃の集録のようです。日中平和友好条約が1978年、天安門事件が1989年。だいたいこの間という感じかな。韓国も急発展していたし、中国はまだ貧しいけれども大変貌していた頃です。日本はアメリカを追い越すとか騒いでいたバブル期へ突進中。

最近のマスコミとかネットを賑わす海外ニュースとかアジア分析とかの生々しさとかからは離れて、グイッと身を引いた地点から日本やアジアを眺めている。その立ち位置がなんかホッとします。冷静にアジアを眺めてみよう。

誰との対談の折りの話か覚えていませんが、日本人には原理原則がない。よく言えば柔軟。悪くいえば無節操。その対局がお隣の国ですね。あっちはたぶん原理原則がんじがらめで、柔軟性がない。よく言えば節を守る。悪く言えば頭が固すぎて周囲が見えない。なるほどなあと感心しました。

そうそう。たいした挿話ではありませんが、後半に出てくる言語学者(かな。井筒俊彦という人)が、若いころタタールの大学者からアラビア語を習った話は面白かった。師とした碩学はイスラムの教典から何から、本という本をすべてを丸暗記している。原典だけでなく注解書まで暗記し、もちろん評価批評もできる。新しい本に接すると数週間(だったかな)のうちに、それも暗記してしまう。だから身の回りに本をおく必要がない。頭のなかにすべての本が入っている。

本に頼っていたら、もし火事にあったらどうする。旅に出るとき、いつも大量の本を持ち歩くのか。自分の頭の中に収納しておけば、すべては解決する。

なるほどね。世の中には凄い人がいる。想像レベルをはるかに越えるような人間が存在する。稗田阿礼が10人くらい一緒になったような才能。


ブログに溜まったスパムコメント、思い出すと消しています。ガードを固めて振り分けているので、完全なスパムではないけど怪しいというグレーコメントは表示させないし、明らかな有害コメントは最初からスパム専用フォルダーに入ります。

spam2014.jpgで、思いついてチェックすると、最近ガードをすり抜けたグレーコメントはゼロでした。多い頃は数十本はあったんですけどね。ふーんと感心しながらゴミ箱を見ると、こっちもゼロ。びっくりです。要するにこのところスパムが来襲していないんだ。

なんでそうなったのか。まったく不明。連中、ターゲットにするのに飽きたのかな。日本語スパム(ブランド販売誘導が多かった)がなくなったのは年度が変わって予算がなくなったせいかもしれません。不思議な話です。

★★★ 文春文庫
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戦前に書いた直木賞作品に手をいれたもの、らしい。中身は千利休です。なぜ利休が秀吉に逆らい、死に至ったか。どこかに書いてありましたが、千利休をこれだけ持ち上げた小説はこれが嚆矢だったとか。一般には「単なる茶坊主あつかい」だったらしい。

ストーリーとしては利休の出戻り娘お吟に秀吉がちょいと気をそそられ、手を出しかけたら意外なことに拒否され、いっそう未練が生じてだんだん意地になる。向こうが執拗になるにしたがって利休も意地を張り通して、最後は覚悟の切腹というものです。そうそう。佐々成政絡みで黒百合取り寄せ騒動なんかも要素になっています。

筋立ては凡庸ですが、ここで描かれる秀吉は単なるモーロク好色爺でもなく、けっこう納得できるものがあります。権力者には権力者の立場があり、守らなければならないものがある。最初はほんの気まぐれだったのに、袖にされることで燃え上がる。メンツの問題ですね。淀殿は天性の娼婦という扱い。ひどい扱いですが、けっこう納得できる部分もあり。石田三成はそれなりに冷静かつ有能な官僚です。北政所も単なるいい人ではなく、けっこう意地悪だったり。

ま、お吟の恋人という若者だけは余計な感じですが、小説なんだから仕方ない。思ったより楽しく読めました。


「覇者の条件」海音寺潮五郎
★★ 文春文庫
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別系統の武将列伝です。平清盛、源頼朝から始まって北条泰時とか毛利元就とか10人以上。地味なものとしては野中兼山、細川重賢、上杉鷹山。兼山とか重賢なんてのは寡聞にして知りませんでした。

筆致は容赦ないです。毛利元就なんてのは、コテンパンにけなしている。悪辣で陰湿で慎重。でもきっとそうだったんだろうなと納得できます。そうでなければ大内・尼子にはさまれた小領主から這い上がってのし上がれるわけがない。他の人物に関しても、同様。後世になると勝手な事を言われてますが、みんな有能であり、なおかつ当時の複雑事情のなかで懸命に行動していた

海音寺は小説では嘘も書いてるらしいですが(たしか本人も認めている)、列伝シリーズはかなり真面目に調べています。かなり真面目なんて書いたら叱られるかな。はい。非常に真面目に調べています。主人公だからヨイショしよういうような操作は少ないんですね。悪い奴は悪い。でも悪人だけど魅力があるだろう、有能だろ?というスタンスでしょうか。

というわけで、海音寺さんの本は読後感が清々しい。品がある。好きな作家です。



先日購入の電動シェーバー、何回か使ってみての感想です。

フィリップスというメーカー、たしかオランダでしたよね。そういう会社があることはもちろん知っていましたが、ここの製品を買うのは初めてです。今回、シェーバーとしてはブラウン、パナソニックが第一候補。二番手にフィリップス。ぐっと安いのではイズミというのもあるらしい。

philipsSV2.jpgで、今回のパワータッチ PT725A。低価格ラインの製品らしいです。でもコンセントにも直接使えるし、水洗いもできる。評判見てもまずまずの雰囲気だったので決めました。何よりも価格ですね。

評判通り、剃っていても頼りないかんじの動きです。振動もないし音も小さい。これで剃れてるのかなあという印象ですが、結果はそんなに悪くない。難しい場所はちょっと剃り残しがあるものの、皮膚を突っ張ったり引っ張ったり工夫するとなんとかなる。うん。

結論としては、正解。使用頻度も高くないので、そう簡単に壊れることもないでしょう、きっと。ちょっと気になったときにサッと剃れる。なかなか便利です。

★ 朝日新聞出版
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江戸はどんな街だったのか。かすかに残る残滓を探して古地図片手に(たぶん)街歩き。

けっこう面白そうな発想で、ま、確かにある程度は面白かったんですが、期待ほどではなかった。

都心部ではなく、郊外に主眼をおいています。いわゆる朱引きの界隈やその外側。玉川、三鷹あたりまで遠征しています。楽しく読めないのは何でですかね。ちょっとサービスしすぎなのかな。やたら大げさに持ち上げの気配があって、読んでいるうちに飽きてくる。下手なライターが書いた旅行ガイドみたい。

荒俣本に多いパターンです。うまくはまると非常に面白いんだけど、ほんの少しブレるとアラが目立つ。少し残念。


「秀吉はいつ知ったか」山田風太郎
★ 筑摩書房
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ついでにこれも読みました。短いエッセイ集です。

想像どおり、本能寺の変の裏側に秀吉も噛んでいたんじゃないかという説。あの中国大返しがいかにもスピーディすぎて臭い。薄い本で、もちろん楽しく読めますが、山田風太郎は同じネタで何回も書くからなあ。え、そうだった?と本人は気にもしないだろうけど。



若いころからずっーとヒゲ剃りはT字型カミソリです。面倒だけど、スッキリ綺麗になった気がする。最近は三枚刃とか四枚刃とか、果てしなくどうでもいい進化を続けているようで、ま、新品の剃り心はいいんですが、そのうち刃がなまってくる。不精して1カ月も使用するとさすがに痛いです。換えればいいだけの話ですが、替え刃の単価がけっこう高い。どんどん高くなっているような気もします。

T字の場合、風呂剃りなら問題ないですが、それ以外だと水を使わないといけない。冬場は水じゃムリで、湯が必要。洗面所で湯が熱くなるのを待ってシェービングフォームをつけて・・・という作業はけっこう大がかりだし、なにより周囲に水が散る。たかがヒゲごときにこんな大騒ぎしていいんだろうか。といって放置しているとゴマ塩まじりでいかにも年寄り臭いですね。奥さんの評判も悪い。実際、トシなんだけど。

ずいぶん昔に死んだ父親は、火鉢の鉄瓶の湯でタオルを蒸して、専用の容器に湯を入れて石鹸をブラシで泡立てて使っていたような記憶あり。重厚なセレモニーです。まさか真似するわけにもいかず、先日、ついに決心して電動シェーバーを買うことにしました。

philipsSV.jpg実は数十年前に海外旅行用として家内が買ってくれたブラウンか何かがあるはずですが、家中探しても発見できず。捨てたのかな。ま、仮にあってもバッテリーがダメになっているでしょうね。仕方ない、新品を買うか。イメージとしては2000円か3000円。

ひぇー、けっこう値のはるものなんだ。よさそうなものは1万円以上する。たいして使用頻度も激しくないはずだし、安いので十分ですが、それでも(主観的には)けっこうな値です。

いろいろ検討の末、フィリップスのパワータッチ PT725Aという代物にしました。往復式ではなく、3軸の回転式。回転のほうがエネルギー効率はいいようですね。音も静かで剃ったか剃らないかハッキリしないような手応えです。「うん、剃った!」という満足感のあるシェーバーではないようです。ネットの評判では、やったぜ!感が欲しいならブラウンの方がいい。ガーガーうるさくて、よく剃れる。パナソニックは中間。

出かけたついでにヨドバシカメラで購入しました。3600円程度。溜まっていたポイント使用で実質支払いは600円くらい。ネットでチェックしてみると先月あたりから急に高騰していますね。こんな円安基調では仕方ないです。

これであと10年や15本は持つでしょう。というか、持たせるつもり。一生ものです。

4月8日。上空に寒気南下とのことで午前中は珍しく。積もるような降りではないです。4月の雪は平成22年以来だそうだが、はて、5年前ですか。まったく記憶なし。

「忘備」を変換しようとして失敗。「備えを忘れる」じゃ意味をなさないのに、なぜかそう覚え込んでしまっている。ん?と考えて、ようやく「備忘」と気がついた。こんなふうに間違って覚えていること、けっこう多い。

たとえば仏教の「小乗」「大乗」。子供の頃、これをなぜか逆に覚えてしまった。「小乗」はちょっと差別的な匂いがあるため今では「上座部仏教」というらしいですね。実際には、タイとかミャンマーとか、テレビでよく見る托鉢教団なんかが「上座部仏教」の例です。

二十歳過ぎたころに人に誤りを指摘されて、非常に驚きました。こんな大きな事柄(たぶん)を逆に記憶しているなんて、なんと馬鹿なんだ。

しかも最近知ったことですが、禅宗もふくめて日本の宗派はほとんどが「大乗」に属するらしい。禅なんか、自分のことだけ考えて修行している上座部の典型かと思っていた。ひぇー。

もうひとつ。ギリシャの陶片追放。この中身をなぜか「人気投票」と記憶してしまった。人気抜群の政治家を陶片で選ぶわけです。で、市民の圧倒的支持を得るような人間は危険人物。支持をバックに何をするかわかったもんじゃない。だから追放。

これは高校生の頃に教師に確認してみて、誤りを悟ったんですが、でも考え方としてはかなりセンスがいい。そう自負しています。市民に媚びて人気を集めるような男は危険である。うん、かなり正しい。

いま、陶片人気投票をやったら、誰が選ばれるんだろうか。たとえばアベくんは追放に値するだけの票を集められるだろうか。いろいろ考えるとけっこう面白いです。

土曜日、あいにくの曇天でしたが、最寄りの公園で花見。

しっかり着込んでいきました。途中の道では風が強くて難儀でしたが、いざ芝生に座り込むと思ったより穏やかで、暖かとは言えませんが、ま、まずまず。さすがに冷たいビールにあまり気がすすまず、ロング缶1本だけ。それでもけっこう人が出ていましたね。好例のお囃子も出ていて、ヒョットコとか狐の面が人込みの中で踊っています。

sakuea2015.jpg家のすぐそばにも立派な桜はたくさんあるのに、なぜか公園まで出むいて座り込むのか。で、ちょっと桜と花見客を眺めて、食べたり飲んだりして、やれやれと帰宅。年中行事というやつです。

子供と話していたら、去年は行かなかったらしい。たぶん子供の仕事の都合がつかなかった。家族で行くからこそ花見。妻と二人だけではなかなか気が動きません。

一夜明けた今日はいっそう冷たくて、雨です。あと数日で花も散りそうです。

★ 文藝春秋
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この作家、初めてかと思ったら「信長の棺」の人だった。たしかマズマズの本だったような記憶があります。

で、「水軍遥かなり」は九鬼守隆が主人公。父親の九鬼嘉隆は巨大な 鉄甲船で毛利水軍を破ったことで有名ですが、息子の守隆は関ヶ原で東軍について戦った。真田親子と同じで、東西に分かれた。けっこう面白い連中です。

結果としては「?」でした。ちょっと守隆少年がデキスギ君。10歳にもならないうちから利発で冷静で、オヤジ顔負け。12歳くらいになると父親が子供の意見を求めたりする。小説としてのデキはあまり評価しにくいし、消化不良。

やはりこの九鬼親子に関しては(またか!)岳宏一郎「群雲、関ヶ原へ」が秀逸すぎました。「群雲」で描かれる九鬼は誇り高く狡猾な海賊大名としっかり者の息子です。キャラクターが非常に鮮明。こういう名作を読んでしまうと、他の本が凡庸な印象になってしまいます。それにつけても次作の「群雲、大坂城へ(仮称)」はまだ出ないのか。著者が死んだという話も聞こえないのて、気長に待っています。

そうそう。唯一よかったというか、新しい視点は、九鬼水軍といってもしょせんは志摩のマイナーな勢力であり、天下争いに翻弄される小大名でしかなかったということ。ま、そうなんでしょうね。石高からいえはせいぜい3万石とか5万石です。

ただ「群雲」の視点では、そんな小大名であるにもかかわらず、水軍の力というものは侮れなかった。どんな大軍であっても、海上から攻められると手も足も出ない。東軍が東海道を西へ進む際にも、街道沿いの集落が次から次へと焼かれる。海賊どもが手薄なところに上陸して、村々を焼いたり強奪したり。ソレッと追いついた頃にはもう船に乗って消えている。住む世界、テリトリーが違う。陸上の武将たちからみると実に怪しげで正体不明の連中です。現実にはけっこう大きな駒として計算せざるをえなかった・・・・ということでしょうか。


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