角川ホラー文庫 ★★
貴志祐介がまだ若い頃の作品。危惧されながら新設された日本ホラー大賞の4回め受賞。1997年です。へーっと歴代を調べてみたら、1回めの佳作には坂東眞砂子。2回めの大賞が瀬名秀明。で、3回めの佳作も貴志祐介だった。この賞を契機に日本のホラー小説がどうとか・・・と解説がありました。なるほど。
京都の保険会社の若い社員がふとしたことから保険金殺人らしい凶悪な構図にまきこまれる。保険金を狙うもろもろの詐欺やら悪徳連中の暗躍話が面白いなあと思ったら、貴志祐介、実際に生保に在職していたらしい。なるほど、リアル。
で。中身はたしかにホラーです。奇怪な大量殺人。たえがたい臭気と血糊。青年は子供のころの記憶からどうしても恋人とセックスができない。その恋人、ちょっと人間離れした天使なんですが、狭いアパートのベッドの若いふたり、貴志の短い描写だと妙に色っぽい。グダグダ書く必要はないんですね。
貴志祐介、きっと巧い書き手なんだと思います。そういえば「悪の教典 」でも主人公(サイコキラー)によってメロメロにされる女子生徒の描写あたり、あれもなかなか良くて色っぽい。記憶にのこるものでした。不思議ですね。
ただしこの人、往々にして終盤が駆け足で書きなぐったなの感を残すことあり。わずかに惜しいなあ。(よく言えば疾風怒濤)
※それは別として、最後の最後、新たな人物の登場は「?」。必要あったのかな。なんとかシジミの幼虫のくだりも?。
毎朝のコーヒーに欠かせないのがミニキャンドルとライター。(そしてもちろんサーバー とドリップ)
実はキャンドルにもいろいろこだわりがあるんですが、案外盲点なのがライターですね。着火筒の長いのがいい。長持ちも必須。なにより着火のときの圧、力加減ですか。使いやすいライターって、案外ないです。
で、このライター。チャカチャカ3 クリアというのが名前なのかな。ライテックという会社みたいで、なによりチャイルドロックが過度でないのがありがたい。
子供が火遊びしないようにボタンを固くしてあるのがチャイルドロック。ただ、往々にして固すぎる。握力の衰えたトシヨリには辛いものがあるんです。必死に握って火をつけると。ときどき指が滑り、先端が踊ってサーバー のガラスに当たってしまう。割れそうで怖い。
何か月か前、イトーヨーカドーでこれを売っているのを見つけました。ボタンが大きくて軽く押しやすい。ついに理想の着火ライターに出会った感。これはいいです。なくなるのが怖くて、先日また出かけていって、4コまとめて買いました。4コというのが控えめで少し庶民(あるいは貧乏かな)感覚。
ねんきんネットからメールで、扶養家族なんたらの通知を読めという要請。「マイナポータルにログインして「お知らせ」から確認してください」と親切に書いてある。
この類の作業、不思議にうまくいかないんだよなあ。久しぶりだったので、あっそうか、カードを読み込ませるんだった。でももちろんダメです。エラー。3回やって諦めました。エラーコードのE-xxxを読めとか、これももいろん無意味。この種のQ&Aが役にたったことないです。
で、翌日。様子が変わったかもしれないので(そんなバカな...だけど、ある)再トライ。はい、すんなりカードを読み込みました。昨日と少し違って暗証番号の打ち込みページも出てきた。ただしどこをどううろついてみても、なんにもならない。目的のページを発見できない。10分ほどさまよって、諦めました。収穫ゼロ。
いつもこうなんだよなあ。ほんと、不思議。やりたいことがあって、いちおう説明もあるのに、なぜか、できない。的外れ。徒労。どうしたらこんなに親切そうで不毛かつ無意味なページをつくれるんだろ。直観をことごとく裏切る。
※でも絶対やるぞ・・・という真に固い決意があれば、1日か2日頑張った末になぜか突破できることが多いです。ただ「どういう道筋がよかったのか」という学習はできない。で、同じことを来年また苦労する。
※ほんと、不思議ですね。厚労省のものすごく優秀な技術屋が絶妙に組んでるのかも。すごい技術です。
早川書房★★★★
ちょっと前に読んだ「怪物たちの食卓」で取りあげられていた本。もちろん初読の作家です。
短編集ですね。「ピュア」は女たちが劇的進化して、やたら強い性になる。外敵と戦い、地球を周回する軌道上から世界を支配し、背中には装甲のような鱗をまとう。男を襲って精液を搾り取り、終わったら食い殺す。
子宮が「食え!」と命じるんですね。たぶん、地球が破滅に瀕し、人類の出生率がゼロになりかかったどっかの時代、そういう行為を始めた一部の女だけが妊娠に成功した。食うこと=人類の生存なんです。
というわけで軌道上の(女だけの)学校の教室、生徒たちは次の地上襲撃の話題で盛り上がったり。うん。妊娠して産んで上級女性になるんだあ。そう、男をつかまえて搾り取る。組み敷かれた男は「え、オレなの?」という顔をして、恍惚として放出して、食われる。
ま、そういうストーリーです。あっけらかんとして、悪くはないです。
ほかの短編は好きなクラスメイトが男になってしまう話。もうひとつの短編は男どころか異人種 異人類になってしまう話。ほかにもあったっけか。SFファンタジー+性+少女小説の雰囲気です。
で、いちばん最後の小編は冒頭「ピュア」の別版。食われる男の立場からみた世界ですね。これもすこし悲しい。全体、けっこう生煮え部分もありますが、ま、斬新、衝撃、新しい世界です。やはり★★★★でしょう。
今年は仙台・松島へ。
仙台、以前にも何回か素通りしたことはあったんですが、駅前のありきたりの印象だけ。今回は1時間ほどで街を一周するバスにのったので、あるていど雰囲気はわかりました(いい街ね、とあとで妻は言っていました)。
街中。ナントカ通りなど大きな通りの街路樹も悪くなかったんですが(杜の都ですか)、ただ、なんといっても暑すぎた。物好きに青葉城城址なんてのにも行ってしまって、暑熱にひたすら閉口。青葉城って、まっとうな山城だったんですね。
泊まった宿は湾に面していて、障子をあけると正面に島々。海。波ひとつない内海です。これはよかったです。食事もよかった。酔っぱらって部屋に戻ってバタンキューで、二日とも10時間か11時間は寝てしまいました。
メニューの酒はやたら高価なのばかりズラリ(※)。ただペラペラ別紙の隅っこには「熱燗」というのも一応あって、さすがにこれはリーズナブル価格だったものの、いやはや、ほんとうに熱燗だった。おっとっと、と思わず耳たぶに指をやるレベル。燗なんてつけたことがない若いのが多いんですかね。懲りて、翌日は「ふつう燗でね」とお願いしたんですが、それでも十分立派な熱燗でした。
そうじて良い旅でしたね。仙台、早い新幹線だと1時間半。近くなったなあ
(写真は松島観光船の船着き場。たくさん観光船が出ています)

※自分でも知ってる「浦霞」なんて、もうあほみたいな値段でした。ここ数十年で、日本酒の銘柄はみーんな代替わり。昔知ってたような日本酒は、すべて絶滅してしまったんでしょうね。なんだったっけかな、何十年も前、仙台の男が「旨口です」とか言って飲ませてくれた酒。けっこう美味しかった気がするんだけど。忘れた。
日曜は朝からVDSLモデム頓死に遭遇。対策に追われて大汗。甲斐あって月曜には新しいのが到着。
で、気を取り直す。懸案のスマホ2台、オンラインショップの複雑迷路をかいくぐって購入注文。なんとか成功です。で、モノは水曜には届いたんだけど、その日はあいにく炎暑のさなか、親戚と会食があって生ビール3杯と紹興酒。帰宅してダウン。
比較的スッキリ(前夜はさすがに晩酌が少なかった)目がさめた木曜は鋭意新スマホへのデータ移行を断行。やらなきゃいかんのよ。
ただこれがなかなかのものでした。電話帳がすんなりコピーできなかったり、SIMカードで1時間トラブったり。なんかごとのたびにオンラインショップにアクセスする必要があって、些細な用なのにいちいちセキュリティガードがかかる。えーい。
それでも夕方、いちおうは完了。うーん、脳が疲労困憊。もろにスパゲッテイ状態。力が入らない。ぐったりぐったり疲れました。
そして今日金曜。最後は自分用の新スマホに銀行関係アプリとPayPayを設定です。試行錯誤はありましたが、うーん、なんとか昼前に完了。
終わった。魔の六日間。もう死ぬまでやらん。誓うぞ。
ドコモのオンラインショップで数時間の格闘のすえ、自分と妻の新しいスマホを購入。いやー、大変だった。
なぜ大変かというと「セキュリティ」ですね。ガチガチの上にさらに親切にガチしている。PCからアクセスなんかじゃ問題外。自分のスマホのブラウザを使ってショップへ行く。それだけでもダメで「Docomo回線」を使用でないといかん。つまりWiFi使ってアクセスは通用しないんです。邪道。
訳のわからん「パスコード」とかいうのを苦労してあらかじめ設定しておいて、遅い回線でアクセス。そもそもが動きののろい古い機種(だから買い替え)なので希望機種を選ぶだけで大変。おまけに「機種変更」のつもりだったのになぜ「Xi→5G」になるのか。意味わからん。ひっかるたびに用語の意味を検索したり。同じことを何回やったかなあ(途中で止まったり消えたり)、ほぼ半日かけてようやく、たぶん、買えました。やれやれ。
実は同時に別件で、いきなりモデムの頓死もあったり。21年使い続けた年代物(※)のVDSLモデム、電話線のアナログをデジタルに変換する機器です。
で、スマホ握りしめて電話すること数時間。わけのわからない自動応答の迷路に見切りつけて、駅前のドコモショップに駆け込んで助けてもらって、ようやく人間オペレーターと話ができた。で、話がついたら翌日配送の手配で、迅速。これだけは少し感動しました。
届いた新しいVDSLモデム、差し替えただけで30Mbpsだったネット速度があっさり50~60Mbpsにはねあがりです。さすが20年の進歩。すごい。
※モデムはレンタルなので、壊れたら交換してもらえます。逆にいうと壊れない限りダメ(いかにもNTT)。壊れてネットや光電話が使えなくなったら、あわててスマホ電話で Docomoに申請して、DocomoがNTTに伝える。これ、不便だなあと思っていました。10年とか15年たったら(ネット不通期間を経ずに)交換申請できるといいんですが。
河出書房新社★★★
かつての政府のキャンペーンに「すばらしい中国のはなしを語る」というのがあったみたいで、それを皮肉っているんでしょう、たぶん。副題は「田舎町で聞いたこと」です。
で、最近になって自分は閻連科の本がどうも読みにくくなっています。なんでですかね。今回の「中国のはなし」もそうで、田舎に帰った閻連科のところに若い男が来て「面白い話を買ってほしい・・」と持ちかける。で、えんえんと話しだす。正直、あんまり良い設定とは思えません。
若い男(大学生)は父親を殺そうと決めた。理由は自分がアメリカに行って勉強することを承諾しないから。金をくれないから。とにかく、殺す。なんのこっちゃ。
次にはその父親が来る。その親父は女房を殺したくてたまらない。女房を殺せば電気屋の奥さんといい仲になれる。金持ちにもなれる、はず。で、次はその女房もやってきて、あの役立たずの息子、勉強なんて嘘ばっかりで自堕落女に子供まで産ませて。もう死んでくれないか・・。
みつどもえ。背景は中国の改革開放です。おさえつけられていた欲望が一気に解きほどかれる。むき出しになる。町を抜け出したい。レンガ造り、2階建ての家を建てたい。金持ちになりたい。発展とともにいろいろ願いがかなえられたように見えて、実はなにもかなってはいない。もとのもくあみ。
正直、あまり楽しい本ではなかったです。面白くもなかったし。満たされない熱量のようなものだけが、あとに残る。
角川書店★★★
えーと、ホラー大作なんでしょうね。長くて、面白くて、訳がわからない。
旧家にかけられた恐ろしい呪いです。戦国の世から続く深くてドロドロした呪い。家中にある呪物のかずかず(よくまあという数)。次から次へと出てきて、あれもこれも呪物、呪い。おそろしい。おそろしい。
で、あれは良いシャーマン、感応者。これは悪の黒魔女。古い家のなかで、鬼と悪魔が壮絶にたたかう。血が壮絶にながれる。なんのこっちゃ。
かなり無理していてあほらしいですが、なんせ貴志祐介なので読めます。必死になって、1日で読み切りました。たぶん、読んだ人の半分は茫然自失のまま。半分は途中でなげだしているかな。よくわからないけど、面白かったです。解説になってないなあ。
就寝前にフル充電したのに朝には40%を切って・・・と奥さんが言う。そろそろバッテリーがダメになったかな。6年近く使っているスマホ。実は自分のも奥さんと同時期に買ってるので、やはりそろそろ寿命かもしれない。駅前のドコモショップに行って次の機種を検討するか。
ところが更に翌日、経過をみてみると充電量はいっかな減っていない。なんだ大丈夫じゃないか。まだ1年や2年は持つかも。バッテリー表示システムが少しトチ狂っただけでしょ、きっと。
・・・なーんて考えていたら、その話を聞いた子供は「早く買い変えろ」と言ってるらしい。そんな5年とか6年とかとんでもない。さっさと変えなさい。自分が買ってあげるから。
ということでせっかくなので有難くうけるつもりだっんですが、数日後にたまたま帰宅した子供がオンラインショップで(※)ゴソゴソやってみると。これがなぜかスムーズにいかない。パスコードがどうとかバージョンがどうとか、ログインがなんたら。面倒なもんです。子供も忙しくて、結局時間切れ。
で、暇だけはたっぷりある私が引き継いでゆっくり購入することになりました。なるほど、調べてみるとまず奥さんのスマホのChromeのバージョンを上げる(なぜか古いままだった)、次にアカウント作ってグーグルにログインするところから。それからパスコードの設定かな。6年前には「パスコード」なんてもんはなかったなあ。DocomoのIDも少し違って「dアカウント」という言葉に変わってるみたい。実はこうした用語の変化・違いがいちばん大変なんです。どうでもいいことを勝手に変えるな!といいたい。かなり迷惑。
たぶん、解明に1週間か2週間はかかるでしょうね。もっとかな。単にお金を払って、新しい機種を買いたいだけなんですが。
※ふつうの人は店舗じゃなくオンラインショップで買うらしい。データの移行も自分でやる。これが安上がりだし、実はDocomoも推奨。トシヨリにはどんどんハードルが上がってきています。