2012年6月アーカイブ

★★★ 集英社

yumekumano2.jpg何年か前に読んで面白かった記憶あり。閉架から借り出して再読。

話は飛びますが前に出雲へ行った折り、どこかの神社に(忘れた)八百比丘尼がなんとかしたという松がありました。案内板読んで「へー、はっぴゃく比丘尼が・・」と思わず言ったら案内してくれてたタクシーの運ちゃんが「はい、やお比丘尼」とにこやかに訂正。あれ、『はっぴゃく』じゃなかったのか、でもなんとなくそう覚えてたんですけどね。ま、正しくは「やお」であっても不思議はない。教養のなさに赤面しました。

その後、あらためて調べてみたら、ほんとうは両方の読みがあって、地方によって違うらしい。恥ずかしがる必要はなかった。たぶん手塚治虫の火の鳥かなんかで「はっぴゃく」と覚えたんだろうな、きっと。

でまあ、その八百比丘尼みたいな女が熊野にいた。なんせ熊野ですから、魑魅魍魎、なにが棲息していたって不思議はない。で、その女、神武天皇東征の頃にさかのぼるニシキトベとかいう人やら地神やらの系譜で、おまけに源為義が熊野の別当の娘に生ませた子供。為義いうたら小日向文世ですわな。テレビとは違って盛んで全国あちこち現地妻がいて、子供もたくさんいた。

で、その熊野妻も八百比丘尼で、その八百比丘尼と為義の間に生まれたのがヒロインの鶴姫。たずひめと読みます。為義の娘ですから義朝の妹、八郎為朝の姉、頼朝義経の叔母。おまけに美人で活動的でニシキトベの末裔で強力な巫女の血筋。熊野の湛増やらなんやらとも友達で、海賊の親分とも子供の頃から仲良し。おまけに熊野別当の妻で、いつまでも若いんで、後でまた別の熊野別当とも結婚している。

人間だけでなく鬼にも好かれます。神隠しにあって、子供まで孕まされてしまう。ほんと、すべてがこの鶴姫を中心にまわってるみたいで、清盛も重盛も振り回されます。

こんなふうに粗筋だけ書くとアホ臭くなりますが、文章・叙述は非常にきっちりして、ちょっとジェンダー差別みたいですが、女の人が書いた小説とは思えません。乾いていて、ベッタリしていないんですね。

そうそう。分厚い小説ですが、悪人は登場しません。人界を超えた「悪」は存在しますが、人間には悪人も善人もいない。熊野三山を舞台としたいわば政治小説、歴史小説。保元平治の中央激動の時代を熊野が必死になって生き延びようとする物語です。

作者の名前、なんと読むのか知りませんでした。紀 和鏡(きい わきょう)と思い込んでましたが実は 「気は狂」だそうです。名付けたのは亭主の中上健次。「気は狂」の女流伝奇作家が書いた、大昔の熊野のお話。鶴姫(丹鶴姫)伝説、じっさいにあるようですね。平安装束で出てきて子供をさらうこわーい女。なんでも後では世話した頼朝から土地をもらって女地頭にもなったとか。

先日家族で甲府へいった際、大浴場に置いてあった黒い軽石が気に入りました。

karuishi.jpgまるで台所用のスチールたわしみたいな感じなんですが、もちろんもっと軽く弾性があって、使ったあとの踵がけっこうつるつるしている。家で時々使っている本物の軽石だと、どうしても踵が多少はガサつくんですが、この黒いのはかなり滑らかになる。

気に入って、旅館の売店で買いました。竹炭シルクっち。840円だったか860円だったか。旅館の売店でお土産買うなんて何十年ぶりという気がします。

材料は硬質ウレタンフォームに竹炭パウダー、真珠パウダー、シルクパウダー、セラミックス抗菌剤・・・。はっきりいって訳のわからない代物が混入のようですが、使い勝手がいいんだから文句はなし。入浴したときは忘れずに擦っています。まだ新品なんで旅館のものより硬くて、そっけないです。そのうち馴染んでくるでしょう、きっと。

sayonarab.jpg★★ 集英社

バースディはボノボ。いわゆるピグミーチンパンジーの名前です。とある研究所でい飼われているバースディ、実は天才猿。キーボードを叩いて意思疎通が可能で、すごいすごい。なんかアイちゃんとか、同じようなチンパンジーがいましたね、昔。

研究を実質的に担っているのはしがいな助手で、きまりものの偉そうな教授とか、マスコミに人気の学者とか、ちょいと美人の研究生とか。助手は研究生が好きになり、ある日結婚を申し込もうと計画。しかしその夜、とんでもない悲劇が・・・。

ま、佳作とでもいうんでしょうか。悪くはないですが傑作ではないようです。


「押入れのちよ」 ★★

oshiire.jpgこれも同じ作者です。短編集。全編明確に意図があり、なんといいますか、叙述のトリックを試しているような感じですね。本人かと思うと別人。生きているかと思うと死んでいる。この部屋が憑かれているかとおもうと実は違う・・・。

表題になっている「押入れのちよ」、座敷童の話かと想像していたら違いました。昔のオカッパ少女の死霊です。今だったら婆さんみたいな古い口調でしゃべります。でもちょっと可愛い。

押入れから夜中に出てきてビーフジャーキとカルピスの好きな童女の霊で、けっこう後味のいい短編でした。

温度変化2.jpg

よくぞ気がついた。

たいして期待はしていなかったものの、それにしても冷えない。不思議だなあ・・・とつらつら考えて、はたと膝を打った。

クーラー台座のシール、剥がしたっけ??

ガガーン。面倒だけど、あわてててまたマザーを外しました。たしかにシールが残っている。よくまあこれで60度とか70度ですんだもんだ。壊れなくてよかった。

たしかに立ち上がりから、クーラーのファンが目一杯回っていました。はい。伝導率の超悪い状況で、なんとか必死に頑張ってたんだろうなあ。

日をあらためての起動時、あらためてCPUファンをモニターしたら、目一杯ではなく1200rpmくらいで回っていました。正常。これなら納得です。

ということで再計測しました。はい。それなりに結果が出ています。こんなもんでしょう。


気をつけよう、うっかりミスと暗い夜道。

ついでにもう一つ。

人生には三つの坂。上り坂。下り坂。そして「マサカ」

まったく。トシはとりたくない。
EnermaxのETD-T60-TB、作りはかなりしっかりしています。取り付けの4本軸も頑丈な構造ですが、支えパーツを取り付ける前に4つ穴の位置ときっちりあわせておかないとスムーズにいかない。試行錯誤した末にようやくはまりました。取り付けるときっちり締まります。

coolerset.jpgグリースを塗ってから穴に取り付ける手順になるので、このへんが神経を使います。一発で穴に入らないでグジュグジュしていると、グリースがズレてしまう。あるいは、ズレたんじゃないかと心配になる。

メモリの一番左端は、やはり衝突しました(ASUS P8Z68-M PRO)。背の高いコルセアメモリなので、2番スロットもすれすれ。たぶん1mmくらいしか余裕がありません。
◆その他の方向はかなり余裕あり。たいていのマザーボードに合うでしょう。
◆予想外だったのは、8pinのATXコネクタ。完全にクーラーの下に潜ってしまいます。後から差し込むためには硬い電源コードをかなり大きく曲げる必要がありました。といって、8pinを差し込んでからクーラー付けるのもけっこう難しい感じです。( ←やってみるとそれほどでもなかった)
◆試してみるとまったく冷えないので、あらためてグリースを塗り直し、前よりもバックプレートをきつく締めてみました。この締め加減が難しいですね。そのたびにマザーボードを外す必要があるので、あんまり何回もやりたい作業ではないです。

temp201206.jpg換装の結果

思ったほど変化はありません。ギリギリ負荷をかけたときにどれくらい差が出るかは不明ですが、アイドル時とか、ちょっと負荷をかけた程度では付属クーラーとほとんど変わらない印象です。付属クーラーが優秀だったのかな。

ただし明確に静かにはなりました。ファン回転数が減って静かになって、温度はあまり変化ないんだからヨシとすべきなのかもしれないです。

いろいろ試行錯誤の末、メモリのOCを解消し、オプティマイズド・デフォルトの1333MHzに戻したら一気に電力消費が減りました。アイドル状態の消費ワット数も半分。通常使用はこの程度で十分の気がします。だらだら40~46度程度で推移しているというのは、なんとなく気分がいいです。

それじゃ何のために1600MHzメモリを買ったんだ!という反省もありそうですが、ま、とりあえず目をつむります。そういえば、最近数回、ディスプレイ ドライバー応答停止が発生して悩んでいたんですが、ひょっとしたら影響があるかもしれない。これも、気休め。

xfan.jpgそうそう。9年も使ったフロントの12cm吸気ファンは、XINRUILIANのRDL1225B(12SP)に換えました。1200回転ですが、けっこう静圧はあるみたいです。これも確実に静かになりました。高かったけど、よい買い物をした印象。

これでとりあえず完了。また気がむいたら少しOCしてみたり、温度を計ってみたり、いろいろ遊べそうです。結局PC自作って、遊びなんですね。関係ないけど政治家の与謝野馨、実はオーディオ自作とかPC自作に凝っていて、けっこうアキバ通いをしていたらしい。私もいいトシこいて自作なんて変わった人間のほうと思ってましたが、上には上がある。


発見!   重大なミスがあった・・・ (続報はこちら)


★★★ 新潮文庫

fuji.jpgこれも本棚から引っ張りだして再読。読みきれなかったので、バッグの底にいれ家族で甲府へ遊びにいきました。

甲府では何といってすることもないのでサントリーのワイナリーへ。グラス1杯100円とか200円払って試飲をしたり、畑ツアーのバスに乗り展望台で案内嬢のイチ、ニイのサントリー! という合図で写真を撮ってもらいました。定番チーズ!の代わりにサントリー!を流行させようと企んでいる模様です。

天気予報が外れて意外な好天。それでも霧だか雲だかで富士山はボケてました。裏富士ですね。

で、「桃色浄土」。土佐の足摺岬あたりの漁村が舞台で、時代は明治の終わりか大正あたり。もう採りつくしたはずの希少な桃色珊瑚が出てきたというので平和な(はずの)村がザワザワし始める。欲にからんで若衆たちが殺気だつ。

momoiro.jpg沖にはぽっかり白い異国船が浮かんでいます。高知の高等学校から戻ってきた坊ちゃんはイライラしています。村でたったひとりの海女は今日も魚のように潜っています。普陀落渡海 を計画している生臭坊主は日々危険な鍛練に励んだり、お供えの芋を食ったり、たまには色気の残った婆さん相手に堕落したりもしています。

りんという海女の娘がいいですね。真っ黒に日焼けした独立独歩の原始の少女。グジュグジュしていない。意志が強くて海だけを愛している。

ついでに生臭坊主もなかなかいいです。乞食坊主だけど普陀落渡海の計画はまったく嘘というわけではない。真剣に考えている。いい汐がきたら舟をしたてて南海へわたって観音様に会える・・・と少しは信じている。

どういうエンディングだったかなあと記憶をたどりながら読みましたが、そうか、そういうクライマックスにしたのか。けっこう怪異というか、人間界と自然、冥界の混交したような海辺のおどろおどろしさ。

最近テレビでやたら耳にする「さわやかな自然」ではなく、人間と対立する要素をふんだんにもった「恐怖の自然」でしょうか。海って、夜なんかはけっこう怖いものです。波打ち際の向こうに何かがいそう・・という雰囲気。面白く読めました。
とんでもなかった。

> いま使っているフロント吸気、少なくとも4~5年は回し続け
なんて書きましたが、まじめに調べてみたら記録が残っていた。

2003年6月購入の安物12cmファンです。1700回転。
(でもBIOS計測では2200回転してる。メモ間違いかな)

どっちにしてもすごいなあ。ほぼ9年にわたって、朝から晩まで使い続けていたのか。当時はまだ珍しかった透明アクリル枠のファンです。オールテックだったかもしれません。

9年。すごい。仕事に出かけていた時代もあるのでザックリ概算で(9時間×350日×7年)+(20時間×52週×2年)=2万4130時間。ざっと2万5000時間か。

メーカーのMTBF値(平均故障時間)は5万時間とか10万時間ぐらいだから、2万5000時間くらい持っても不思議じゃないけど、でもすごい。ちょっと感動しました。

★★★ 文春文庫

redoct.jpg気まぐれで本棚からひっぱりだして再読。ん、再々読くらいかな。

トム・クランシーものって、けっこう面白いんですが、でも掛け値なしの傑作ではない。ちょっと粗さが目立ちます。あるいは「面白くしてやろう」という作為というか。読者にはそれを楽しむ姿勢が求められる。

ストーリーはもちろんご存じでしょうが、ソ連の新型ミサイル原潜が行方不明。隠密攻撃をたくらんでいるのか、それとも亡命か。そこでCIAのライアン博士が超人的な推理と行動力で大活躍。大統領も提督もCIA長官も艦長たちも絵に描いたように協力して動き、そこに完璧なトリックが張りめぐらされ・・・。

人物の描き方とか行動はかなり陳腐だし、薄っぺらいところがあります。完全にB級ハリウッド映画ふう。でも潜水艦の動きとか海中での作戦行動なんかは非常に面白い。この詳細なオタク・テクノロジー部分がトム・クランシーの真骨頂ですね。

いま気がついたのですが、先に沈没するソ連潜水艦から生き残るのは料理人。あとになって行動するのも料理人。不思議に料理人が活躍(?)します。何故なんですかね。

さんざん迷いましたが、ついに決心。CPUクーラー、Enermax ETD-T60-TBを注文しました。

本当はサイドフローが欲しかったんですけどね。でもケースの横幅に納まってくれる12cmファンクーラーがない。いや、たったひとつだけ DEEPCOOLのGAMMAXX 300 というのがギリギリで高さ144mm。これならなんとか入ります。ただクーラー本体のサイズが小さくて、専用12cmファンの径を絞るような形で付けている。つまりファンの交換は無理な雰囲気。

ファンなんて普通は簡単に壊れはしません。たいていは交換する機会もないはずです。でもこのGAMMAXX 300はドスパラ一店扱いで、しかも1680円。ちょっと安すぎるのが不安材料。クーラーが軽くて、価格が安くて、細工はあまり上等じゃないでしょうね、きっと。ファンの品質もあまり期待できないし、3本ヒートパイプ。惜しいなあ。これが通常の角形12cmファンで、価格が3000円程度だったらパクッと買うんですが・・・。
etd-t60.jpg
ということでサイドフローは諦めました。どうしてもというと9cmファンになりますが、うーん、9cmか・・・。12cmと9cmじゃけっこう音量が違うだろうなあ。

とかなんとか。結局トップフローの12cmで、あんまり背が高くなくて横板との余裕があり、そこそこの品質。大きな期待は持たずEnermaxに決めました。決定的に冷えるという評判はありませんが、すごく悪いというレビューもない。ある程度は使えるでしょう、きっと。アマゾンが5270円とちょっと値下げしたのを機会にクリックしました。

5000円オーバーは正直、ちょっと高いです。実は最後まで迷っていたのがクーラー本体だけの Samuel 17で、こっちは実にきれいな作りで惚れ込みそうな製品。適当な静音ファンを合わせるというのも悪くはなかったのですが・・。

ほんと、CPUクーラーは調べるのが大変でした。選ぶのはもっと大変でした。たぶん今回選んだETD-T60-TBも、いちばん端のメモリは使えないでしょう。リアの排気ファンとも近すぎるようだし、いろいろ問題は発生しそう。

何回も筐体を開けるのは面倒なので、こんどフロント用の12cmファンを買ってから一気に付け替えします。何を隠そう、いま使っているフロント吸気、少なくとも4~5年は回し続けてるんで、そろそろ換えないと不安です。2200回転とけっこうな騒音発生源でもあるし。


chiyoto.jpg★★ 講談社

千世は前田利家の娘、与一郎は細川忠興の長男 、つまりガラシャの子供であり幽斎の孫。似合いの若夫婦だったはずなんですが、あいにく前田利家が死に、手のひらかえして家康の前田いじめが始まります。利家の跡をついだ利長はいちおうは大老です。家康にとってはかなり目障りな存在なんで、こいつをなんとか口実つけて屈伏させたい。

家康は「前田との縁を切れ」と忠興に要求します。賢い忠興は、はいはいと承諾。ま、当時の政治情勢からしたら当然の処世術ですわな。とくに忠興は家康サイドに立とうとしていたようですから、どんな無理難題でも承諾する。

しかし、です。忠興の総領与一郎は政治感覚に乏しい人間だった。というか、ごく普通の人間。忠興みたいに政界を上手に立ち回る才覚なんてないです。可愛い女房を実家に返せと言われたって困る。グズグズいってそのまま千世を家においておきます。

で、関ケ原。みんなが上杉征伐で留守してる間に三成が立ち上がって、まっさきに在阪の女子供を人質に取り込もうと計画。で、意地っ張りのガラシャが自害。そこまではいいんですが、では細川家の若い嫁である千世はどうしたらいいのか。好きでもない(たぶん)姑といっしょに死ぬ覚悟も義理もないわ・・ってんで、隣家の姉ちゃん(宇喜多に嫁いだ豪)のところに逃げ出します。評判ガタ落ち。

おそらくですが亭主の与一郎も千世に「万一のときは死んでくれ」とは言い残していなかったらしい。そもそも、そんな事態になるとは予想もしていなかったんでしょうね。あるいは予想はあっても、女房に「死ね」なんて残酷なことは言えなかった。

で、結局 薬局 郵便局、バカ息子めが!ってんで、与一郎は廃嫡。千世はやさしい亭主に感謝感激かというと、そうでもなかったようで、そのうち(たぶん)肩身の狭い貧乏暮らしがいやになって離縁。金沢に帰ってからは重臣と再婚もしたようです。与一郎は茶の湯なんかの素質はあったらしく(なんせ幽斎の孫です)、ま、たっぷり捨て扶持もらって悠々文化人としての余生をおくります。

そんなようなお話です。戦国の世、英雄豪傑ばっかりじゃなくて(むしろ希少)、ごく平凡な人間がどう決断して、あるいは決断できなくて、どう生きたか 。佐藤雅美ですから、とびきり上手ではないですが、そこそこは読める本でした。そうそう。あんまり「千世と与一郎」中心っていう感じでもなかったですね。あくまで「関ケ原」の解説に「細川の若夫婦」のエピも追加という構成です。

★ 講談社

kaminohidari.jpg霧深い荒れ地にそびえる巨大な修道院。窓もない迷路のような建物の中にはおびただしい数の少年たちが日々、過酷な戦いのトレーニングに励んでいる。戦う相手はもちろん異端軍です。

てなところからストーリーが始まり、なんかの拍子に3人の少年と一人の少女(ちょっと太め)が脱走します。なんで男ばっかりの修道院に女の子がいたのかはまだ秘密。少年たちの一人はすごい殺しの才能を持っていて、なんやかんやで近くの城壁都市(ここは悪徳の栄え)に逃げ込みます。

ま、ファンタジーとしては60点か70点程度。そう出来のいいお話でもないです。類型的すぎるし、かなりご都合主義な展開だし。途中でやめるほどでもないですが、ページを繰るのが惜しいという傑作でもない。一応、読み終えました。続編もあるらしいです。

いつの頃からかGoogleで検索していると「このページには3回アクセスしています」などという表示が出るようになった。「不注意ものめ!」と指摘されているようで、かなり気分が悪い。

そりゃ何回も見ただろうよ。知ってらい。必要があるから再訪しているんで、ほんと余計なお世話。なんというか、頼んだわけでもないのに自分の行動を詮索されているようで、イラっとします。

webrireki.jpg
なんとか消す方法はないかと調べたら、これは「WEB履歴」というものらしいですね。先日、必要があってGMailを作成したので、その影響らしいです。ログインして「WEB履歴の一時停止」というオプションにチェックを入れました。ついでに「WEB履歴を消す」にもチェック。

最近のこのてのやり方、非常に嫌いです。気を利かせたふり、親切を装ってこちらの情報を集めている感じ。あちこちのサイトで商品情報などを調べていると、てきめんに関連商品の広告ボタンがやたら出現するようになる。「関心あるんでしょ。お役にたちたいです・・」というエセ姿勢。その商品、調べた結果不要と判断したばっかりなんだ。ユーザのアクセス記録を集めるな! なんにもするな! なにかするんなら「いいですか?」と事前に聞いてからにしろ!

インターネットというツール、かなり前から気に入って便利に使っていますが、IT企業にとっては商売ゆえの必然とはいえ、ひたすらせちがらい(あくどい)方向に突き進んでいる気がしてなりません。そして集めた情報は、誰がなんといって太鼓判ついて保証しようと、かならず漏洩します。壊れる可能性のあるものは、いつか必ず壊れる。漏洩の機会のあるものは必ず漏洩する。

基本的に、先回りした余計な「サービス」は好かんです。サービスはこちらが必要と思って「欲しい」と要求したときに素早く対応してくれると嬉しいものですが、それ以外はおせっかい。もちろん理想は「欲しい」と思ったときのタイミングよい提供ですが、そこまで求めるのは酷でしょうね。

そういえば某チェーン店の靴屋。応対がとにかく馬鹿丁寧で、超スロー。他の客が何人待っていてもスロー丁寧応対をやめない。完全にマニュアル応対のようです。

そしてよせばいいのに、支払いが終わって商品をもらうおうとすると「いえいえ、店先までお送りします」と拒否する。店先ったって、駅ビル内のテナントです。ほんの数メートル。アホくさ。店を出るまでお見送りしろ!というマニュアルになっているんでしょうね。店を出てからうやうやしく商品をわたして、丁寧にお辞儀をする。

そしてその間、店内の次の客は手持ち無沙汰でじーっと待っている。店の奥にいる他の店員がサッサと応対すればいいのに、その店員は靴の包装かなんかを「オレ、忙しいんだもんね」と馬鹿丁寧に(超のろま) 続けている。担当が違うんでしょうかね。あるいは優先順位が違うのか。

家人にいわせると「あの店の店員は丁寧だけど、ぜったいに客の足元に屈まない」といいます。試着靴のサイズがあっているかどうかは、目を近くして、手で触ってみないと分からないのだそうです。足元に屈んだり臭い靴下に触るのはそりゃ嫌でしょうが、でもそれをしないのはプロじゃない。ま、実際、プロではないんでしょうね。

そんなふうなアレコレ、よく見かけるようになりました。ネットについては、とにかく自衛しないとどうにもなりませんね。

★★★ 文藝春秋

himawari.jpg
いろんなテーマで書いてくれる荻原浩ですが、今回の主題は老人。ついでにその対局になる子供。町の有料老人ホームと保育園。経営者が同じで敷地が隣接していて、ある日その隔ての壁がとっぱらわれる。そもそも老人と子供は相性がいいはず・・という勝手な思い込みですね。誰がそんなこと言った? 実際には老人にとっても子供にとっても非常に迷惑な話です。

登場する老人たちが生き生きしています。もちろん体はガタがきているし頭はボケている。でも一人一人の老人はみんな個性があるし(当然です)、それぞれ違う欲望や思惑、過去をかかえている。ただ年をとるとそれをあまり表面に出さないだけ。若い人から見ると同じような外見にうつるだけ。

で、子供だってそうです。ひとくくりにすれば「アホなガキ」ですが、実はそれぞれ小さな悩みを抱えているし、ガキなりに個性もある。彼らの場合はそれをうまく自己表現する能力がないだけ。

ストーリーは非常にシンプルで、年寄りからムシリ取ろうと、あの手この手を画策している老人ホームの理事長とその一族。ことなかれ主義で運営している保育園。腹を立ててはいるけど面倒なんで長いものに巻かれろの入居老人たち。空威張りの老人会々長。ちょっと色っぽいボケ婆さん。アホな保育園児たち。そこへ正義感あふれる一人の老人(経歴不詳)が立ち上がって反旗をひるがえす。

英雄的な行動の結果、結果的にはスッキリ勧善懲悪・・・とはいきません。そこは大人の世界ですから、ごく穏便なありきたりパターンに落ち着くんですが、それでも前よりは少し改善されたかという程度です。そんなもんでしょう、きっと。

かなり笑えます。さんざんドタバタ騒ぎで、でもだんだんワクワクしてきて、最後は少しシンミリする。上質なエンターティンメントと思います。荻原浩、子供を描くのは上手な人だと思っていましたが、老人を描くのもうまかった。

★★ 新潮社

tsukigami.jpg
たしか映画化もされたはずです。頃は幕末。そこそこ能力もある御徒組(だったかな)の次男坊が、拝んではいけない裏のボロ社(やしろ)にうっかり手を合わせてしまう。これが実は貧乏神・疫病神・死神の出店だったからややこしいことになります。

久しぶりに声がかかったってんで、喜んで登場する貧乏神が裕福な商人姿、疫病神が貫祿十分の力士、死神がいたいけな幼女・・という設定は笑ってしまいましたね。見事に通例を裏切っている。

貧乏神・疫病神・死神の3ボスにとりつかれたら、主人公はいったいどうなるのか。想像するだに怖い。

でも、この世界にはその世界なりに融通というものがあり、祟りの宿変えも可能。つまり矛先をいやな奴に振り向けてしまうこともできるらしい。カミ様たちにすれば員数さえ合えばいいんだから、本当は誰が相手でもたいした問題じゃない。もちろん宿変えされた人は大迷惑ですが。

なんやかんや、ドタバタ騒ぎの末に主人公はなぜか将軍様の鎧を着込んで影武者に変身、上の寛永寺へ乗り付けます。コメディだったはずが最後は妙にシリアスな展開になってきて・・・。というようなストーリーです。面白かったですが、ま、★は2つで十分でしょう。

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