「伊丹十三選集 3」伊丹十三

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岩波書店★★★
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前に読んだ「選集 1 2」の続きです。どうしてもというほどではないけれど、ま、読んで損するような本ではないし。

内容はわりあい最近分のエッセーですね。最近といっても、どれくらい前になるのか。再婚して、子供が生まれたせいか、家事とか育児に関してが多いです。

記憶に残ったのが下の子の夜泣きの話。恨みがあるかのように、泣く。わが子とはいえ、殺意が沸く。うんうん。そうだよな。時折問題になっている幼児相手の首ガクガクゆさぶり、もちろんしないけど、やりたい気になるのは理解できる。

その夜泣き、夫婦で話しあった結果、コミュニケーション不足が原因ではないかと推測。次男ということでつい話しかけをサボってしまっていた。

要するに嬰児は何か要求があるから泣くわけです。意思を伝えるのに、泣く以外の方法があることはこの子はまだ知らない。だからひたすら泣く。もっと親が話かける時間を増やしてみようか。 世の中にはコトバというものがあるんだよ。

そこで就寝前の1時間、たっぷり話しかける時間をとってみたそうです。その結果は・・・大成功。夜泣きがガクンと減った。ただ反比例して、独占から外された上の子の目つきが嫉妬で・・・というのがオチ。

ちなみに伊丹さんは非常に熱心に教育にあたった。何によらず熱中する人なんですね。たとえば家にあったプーさんの本、漢字にすべてルビをふったとか。すごい。

余計なことですが、自然食もこころがけた。前述の夜泣き嬰児にも豆乳をせっせと飲ませた。成人したその子の話では、ハンバークは納豆製だったし米は玄米だった。学校いくようになっても、弁当ご飯は茶色なのが当然と思っていた。玄米弁当は同級生に「腐ってる!」とからかわれた。ぐうぜん友達の家で食べた白いご飯はとても美味しかった。

そのうち伊丹が歯を悪くして、硬い玄米が噛めなくなった。やむなく白米専用の炊飯器も購入。子供はもちろん白いのを食べたし(おいしい)、抵抗してた「宮本さん」も、そのうち降参して白米ご飯になったそうです。

よかったよかった。


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